植物が周りの「空気を読んで」成長していたことが判明する

science_technology 2017/12/30
Credit: Pixabay

脳がないのにどうやって……?

植物が学習できたり、麻酔がきいたりする不思議な習性は知られています。しかし最近、植物の意思決定プロセスに関する新たな研究が発表されました。限られた日光のソースを巡ってライバルと競っているとき、プレッシャーがかかったとき、彼らはまるで人間のように「空気を読んで成長する」というのです。

Decision-making in plants under competition
https://www.nature.com/articles/s41467-017-02147-2

新たな研究によると、草木は「ご近所の植物」たちの大きさや強さに反応し、周りで何が起こっているのかを考慮して最適な生存戦略を決めていることがわかりました。

植物は状況に応じて、競合よりも成長する対立的な垂直伸長、あるいは、日当たりの悪いところでも耐えられる低光量生存モード(耐陰性)のどちらかを試みることができます。

ドイツにあるチュービンゲン大学の研究者によると、近くの競合から遠ざかるように育つ回避行動をとる植物さえいるようです。

今回の研究では、バラ科の植物クリーピング・シンクフォイルを、自然界の様々な環境を模倣した実験的環境に置き、植物の成長プロセスを実験しました。

Credit: University ofTübingen / 異なる植物の成長プロセス

透明な緑色のフィルターを縦縞に配置したものが利用できる光量の調節に使われました。また、赤色と遠赤色の波長が調節されました。この波長は植物が、近くに生えている植物の葉を通してフィルターされた光として感知するのに使っている波長です。

クリーピング・シンクフォイルが小さくて密度のある植物に囲まれているときは、垂直に伸びようとし、一方高い植物に囲まれたときは、耐陰性モードへと移行したのです。この特別なモードにある時、植物は、より多くの光を受けられるように光合成の効率を落とし、葉を薄く広くします。最後に、敵対する植物の背は高いが密度が薄く、離れるように育つことしかできないという環境に置かれたときは、横方向への回避行動が最も多くなったことは特筆すべきことです。

Credit: luontoportti / クリーピング・シンクフォイル

これらの結果が示しているのは、植物が動物のような機能する脳や神経系を持たないにも関わらず、意思決定を通して働き生存確率を上げるように行動するということ、そしてそれがどのように行われているかということです。

植物が成長する様を観察した人はだれでも、それが光に向かって伸びていくことを知っています。しかし、植物は、他の植物に合わせて成長を速めたり遅くしたりすることが可能なのです。

こういったことが、他の資源や根っこなどの成長でも起こりえるのかは、次なる研究課題となるでしょう。

via: nature, sciencealert / translated & text by nazology staff

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