人類より先に「地球温暖化」を引き起こした太古の動物がいた

history_archeology 2018/07/03

Point
・5億年前の地層にワーム状の生物が穴を掘った跡の化石がある
・このワームが海底の有機物をかき混ぜることで腐敗を誘発し、酸素の消費と二酸化炭素の放出を加速させたと考察
・数学モデルで酸素の低下と二酸化炭素の増加および温暖化が実際にこのワームによって引き起こされたことが示される

海底で原始のミミズのような生物が進化した結果、最終的には自らを破滅に導く、地球温暖化の波のきっかけとなってしまったようです。

Early Palaeozoic ocean anoxia and global warming driven by the evolution of shallow burrowing
https://www.nature.com/articles/s41467-018-04973-4

残された堀り跡の化石から、5億年ほど前にこの虫たちが海底に穴を掘り始めましたことがわかっています。虫はうごめき、朽ち果てずに徐々に海底に蓄積されていた有機物質の層をかき混ぜました。しかしこの小さな行動が、とんでもないことを引き起こします。海底の沈殿を乱すことで、有機物質の腐敗を加速し、大きな環境の変化をもたらしたのです。

ブリュッセル自由大学のセバスチャン・ヴァン・デ・ヴェルデ博士は、「それは庭にミミズを放つのと同じです。栄養分がよく行き渡るようになり、それを植物が利用します。しかし副作用として、より多くの酸素を使い、より多くの二酸化炭素を放出するのです」と説明しています。

ヴェルデ博士らは、遠い過去のこの時期の地球に、酸素レベルの急激な減少があったことに気づきました。また、現在入手可能な限られた化石の証拠を元にして、続く1億年の大量絶滅が、地球とその当時の生物を繰り返し襲ったことにも気付きました。

Credit: Visual hunt

この生き物の仕業に気付いた後、科学者たちは「パズルの失われたピースが見つかった」と思いました。酸素の減少は科学者たちが調べていたものや、炭素循環についての炭素同位体から得られた証拠とも一致していたのです。

このアイディアを確認するために、研究チームは当時の地球の数学モデルを組み立てました。そのモデルを走らせた結果、この小さな動物の進化が本当に海中と大気中の酸素を減らすだけでなく、地球温暖化を引き起こす程度にまで、大気中の二酸化炭素レベルを上げていたのです。地球の歴史上、その時点で起こった温暖化は知られていましたが、それが動物によって引き起こされたことは初めて判明しました。

現代でも大気中に排出される二酸化炭素などによって引き起こされる温暖化が懸念されています。時間のスケールが違うため単純に今回の研究と比較はできませんが、さらなる研究によって温暖化食い止めの一助となることが期待されます。

 

だからクモって怖いのか。 5億年前のクモの祖先は「生まれつきのシリアルキラー」だった

 

via: Independent / translated & text by SENPAI

 

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