蜘蛛が飛ぶ動力は「電気」だったことが判明

animals_plants 2018/07/06
Credit:Photo on Visual Hunt
Point
・蜘蛛たちの中にはバルー二ングという糸で作った風船で空を飛ぶ習性が知られている
・このバルー二ング行動が、大気層が作る電場(APG)によって促されるという説がある
・実験により人工的な電場を作ると、蜘蛛はバルーミングを始め、同時に電場がバルー二ングの上昇力を生み出すことを発見

雨が降った時や、緊急に移住する必要を感じた時、蜘蛛は小さなシルク製の風船を背負って飛び立ちます。これは「バルー二ング行動」と呼びますが、なぜ風がほとんどない天候でも飛べるのかは、研究者の間でもわかっていませんでした。しかし最近、研究者たちはこの行動を促しているのが「電場」であり、それが風の無いときの上昇力となることを発見したのです。

Electric Fields Elicit Ballooning in Spiders
https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960982218306936

ブリストール大学の研究者エリック・モーレイ氏らは論文の中で、「空飛ぶ生物と言われて、蜘蛛を思いつく人は普通いません。しかし、羽を持たないこの節足動物は高度4kmの上空で見つかり、何百kmもの距離を散らばっていくのです」と説明しています。

蜘蛛たちが飛ぶときに経由するのは、太陽放射によってイオン化した大気である電離層と、地上の間の電気回路である大気電位勾配(APG)です。研究者たちの説明によると、この電気回路がバルー二ング行動を引き起こしているというアイディアは、1800年台に最初に提唱されていましたが、その後ずっとテストされずに無視されてきたとのこと。

2013年に、他のグループが「電場はバルー二ング戦略の少なくとも一部であるかもしれない」という理論を提唱しました。そこでモーレイ氏らは、本当に蜘蛛が電場やその変動に反応するのかを証明することに興味を持ったといいます。

今回の研究で、モーレイ氏らはバルーントラップを使うヒザグモ属の蜘蛛を捕らえ、風や大気電気といった刺激を持ち込まない実験装置を準備しました。それから人工的に電場を作って、何が起きるかを観察したのです。

すると、まさに蜘蛛たちが電場が展開された時にバルーニングすることが判明、さらに、電場の静電力がその動きを駆動するのに十分な力があることも発見しました。静電力は、下敷きで髪をこすった時に髪を立ち上げるのと同じ力です。電場をオフにすると、蜘蛛は滑空して降下し、オンにすると上昇しました。

しかし研究者は、「蜘蛛がバルーニングを行うにあたって、電場によって飛べることは確かですが、他の要因でも飛べる可能性は残っています」と話しており、十分条件ではありますが必要条件ではない可能性があると説明しています。

蜘蛛はトリコボスリアと呼ばれる感覚毛を持っており、APGに反応して動く可能性があり、この器官を使ってAPGを検出すると研究者たちは考えています。

 

「益虫」として身近な存在の蜘蛛ですが、実は電気も操れるすごいヤツだったようです。これから蜘蛛を見る目が変わりそうですね。

 

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via: Science Alert / translated & text by SENPAI

 

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