火星の「幽霊砂丘」で古代生命の痕跡が見つかる可能性がある

space 2018/07/12
火星の表面に何百と点在する、三日月形の「幽霊の砂丘」
Point
・火星上に砂丘の痕跡である「幽霊砂丘」が存在している
・「幽霊砂丘」は砂丘が溶岩や堆積物で覆われた後、中の砂が飛ばされることでできる
・砂丘によって生命が放射線から守られるので、生命を探索する場所として良い

火星表面に何百と痕を残す三日月状の「幽霊砂丘」で、古代の生物存在の新たな証拠が見つかる可能性があります。これらの窪みは、何十億年も前、火星の地上に何十メートルもの高さで立っていた巨大な砂丘の跡なのです。

Dune Casts Preserved by Partial Burial: The First Identification of Ghost Dune Pits on Mars
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/2018JE005613

“Journal of Geophysical Researbh: Planets”で発表された論文によると、この幽霊砂丘は、火星の過去の気候や風向きパターンの変化における洞察をもたらすだけでなく、古代生物の痕跡探索のための標的として有益とのこと。それは、この地形が生命体を厳しい放射線から守ってきた可能性があるからです。

幽霊砂丘は、溶岩や水で運ばれた堆積物が、砂丘を埋没させてることで残った痕跡です。風が突き出した砂丘のてっぺんから砂を吹き飛ばしていって、部分を掘り出すことで、周りの型だけが残ります。この珍しい構造は、地球上でも見られ、火星ではヘラス平原や、ノクティス迷路の衛星写真で見られます。ノクティス迷路で480の候補が、ヘラス平原で300以上が見つかっています。これらの場所での砂丘の平均的な高さはそれぞれ、40メートルと75メートルです。

「これらの痕跡が砂丘の跡であるとは完全には言えない」と研究者は慎重な姿勢を示していますが、その形成メカニズムを総合的に考えると、砂丘である可能性は非常に高いそうです。

また、この痕跡から確実に分かることは、過去の火星の風が現在のものと異なるということ。カーブから判断すると、砂丘が形成された当時の卓越風の風向きがわかります。一群の幽霊砂丘は同じ方向を向いており、同じ卓越風の領域にあったことを示しています。

研究者達によると、20億年前この砂丘地帯は動きの緩やかな液体で溢れていました。しかし、それらが掘り出された方法は、場所によって異なる可能性があります。ノクティス迷路は古代の活火山と近接しており、ヘラス平原は水で刻まれた谷の近くです。

Credit: Google Earth / エジプトのバルハン砂丘でもみられる三日月型の砂丘

また、もしかつて火星に生命がいたとするなら、「ここにはその存在を証明する重要な証拠が眠っている可能性がある」と、シアトル、ワシントン大学の惑星地形学者マッキンゼー・デイ氏は言います。

「地球の砂丘が生命を育むことが可能なことはすでに判明しています。地球の砂丘と火星の砂丘は、非常に似通っていますが、一つ地球にはないものを挙げるなら、それは地表の放射線でしょう。もし、あなたが微生物で砂丘の中や砂丘の底にいれば、砂丘はあなたを多くの放射線から守ってくれます。おそらく、今現在そこに生命はいませんが、火星にかつて何かいたとすれば、この幽霊砂丘は、探す場所としては平均以上に良い場所だと考えられます」

 

火星に「太古の生命体」の可能性? NASAが多種の有機物を発見と発表

 

via: Daily Mail/ translated & text by SENPAI

 

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