高所恐怖症が「VRセラピー」で克服できる。他の「恐怖症」に応用できる可能性も

science_technology 2018/07/14
Credit: independent

様々な恐怖症が「VR(ヴァーチャル・リアリティ)」によって克服できる未来がやってくるかもしれません。

オックスフォード大学の研究者らが行なった実験では、およそ7割の参加者がVRによって「高所恐怖症」の克服に成功しました。

Automated psychological therapy using immersive virtual reality for treatment of fear of heights: a single-blind, parallel-group, randomised controlled trial
https://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(18)30226-8/fulltext

49人の「高所恐怖症患者」が参加したこの実験。被験者の中には、バルコニーに出ることができなかったり、エスカレーターにも乗れないほど極度の恐怖症を抱える人もいました。

被験者たちにはVR空間の中において、10階建てのショッピング・モールのような場所の高所で、「ネコの救出」や「つり橋渡り」などのミッションを体験してもらいました。

そしてこの「VRセラピー」から数時間後、エスカレーターに乗れなかったり、バルコニーに出ることができなかった被験者の高所への「恐怖」が消え去っていることが確認されました。ここには人間のセラピストは一切関与していません。全体としては、なんと49人のうち34人にセラピー以降、「高所恐怖症」とは診断できない状況までに改善がみられました。

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この実験は、「VRセラピー」の有効性を示す初めてのものであり、研究チームによれば、このセラピーは「高所恐怖症」にとどまらず、医者不足が叫ばれる「メンタル・ヘルス」の分野においても応用できる可能性があるとのこと。

さらにこの「VRセラピー」は、「コスト面」からみても大きな可能性を秘めています。開発初期段階では、プログラマーやセラピストとの長期の協力作業が必要となりますが、ひとたび完成すれば、どんな場所でも安価に利用できる無人のセラピーになります。

ひとまず「高所恐怖症」において大きな効果を証明した「VRセラピー」。この勢いで、世界からあらゆる「恐怖症」を消し去ってくれることを願うばかりです。

 

via: independent / translated & text by なかしー

 

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