宇宙空間で水を「水素」と「酸素」に分けられる技術が示される。 長距離宇宙飛行の救世主となるか

space 2018/07/16
Credit: NASA
Point
・長距離宇宙飛行では、十分な「酸素」と「水素」両方が必要となる
・最新の研究により、宇宙空間で「水」を「酸素」と「水素」に分けられる効率的な方法が示される

私たちはまだ「地球以外の星」に住むといった夢を捨てていません。そのための宇宙調査が今も盛んに行なわれています。しかし、その夢を叶えるために避けて通れないのが「宇宙船の長距離飛行」を可能にする技術。そこには、宇宙飛行士のための十分な「酸素」と、精巧な宇宙船の動力源となる豊富な「燃料」が必要となります。

そのニーズに、最新の研究が応えました。無重力の宇宙空間においても「半導体物質」と「太陽光(星の光)」を利用することで、「水」を宇宙飛行士のための「酸素」と、燃料のための「水素」に分けることが可能であるとされたのです。

Efficient solar hydrogen generation in microgravity environment
https://www.nature.com/articles/s41467-018-04844-y

水素は、水素自動車に燃料として利用されているように、宇宙船においても同様に燃料として活用することができます。そして、燃料と酸素の代わりに「水」を積んだロケットを発射させれば、宇宙船の安全性が飛躍的に向上されます。燃料と酸素には「爆発」の可能性があるからです。

宇宙船において水素を得る方法は2つ考えられます。1つ目は私たちが地球上で行なっている方法「電気分解」によるもの。もう1つは「光触媒」を用いるものであり、この方法では水の代わりに「半導体物質」の中に光子を吸収させます。光子のエネルギーは半導体物質の「電子」に取り込まれジャンプし、そこに「穴」を残します。そうしてできた「自由電子」は陽子に反応し、水素を生成。一方、残された「穴」は電子を取り込み、陽子と「酸素」を作り出すことができるのです。

「光触媒」を用いたプロセスの方が、「電気分解」の場合よりもはるかに軽い積載量で宇宙船を飛ばすことが可能であるため、研究者たちはそれが机上の空論とならないことを祈るばかりです。

また、無重力の空間には「泡」の問題も発生します。地球では重力により泡が表面に浮かんできますが、宇宙空間ではそうはいきません。触媒からうまく泡を取り除く作業も重要になってくるのです。

こういった問題も含め、まだまだ課題は多いと言えますが、私たちの「地球外惑星移住」の夢は着実に歩みを進めているといえるでしょう。

 

via: sciencealert / translated & text by なかしー

 

関連記事

やはり不可能エンジン「EMドライブ」は不可能?正体は地磁気か

宇宙最初期の星を発見、133億年前に「酸素」が存在か

固体であり液体でもある「超イオン化アイス」を作ることに初成功

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE