友好的な魚のほうが釣られやすいという研究

animals_plants 2018/07/22
淡水魚のブルーギル。趣味(釣り)と実益を兼ねた研究…?
Point
・実験用の池で標識を付けたブルーギルを釣って、釣られた魚と釣られなかった魚に分けた
・釣られた魚のほうが、釣られなかった魚よりも集団に近付こうとする傾向が高かった
・攻撃性や優位性は釣られやすさと関係がなかった

イリノイ大学による新たな研究によると、夕食に並んだ魚のほうが、釣られなかった魚よりも社交的かもしれません。そしてさらに、湖から取り除くことで、残った魚の集団に重大な変化を招く可能性があるようです。

Sociable bluegill, Lepomis macrochirus, are selectively captured via recreational angling
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003347218301957?via%3Dihub

「釣り人が最初に釣り上げる魚がブルーギルであるのには理由があります。ブルーギルは社交的です。岸辺近くの物陰に大きなグループを形成しています。社交的な行動と攻撃性は、釣りに対する脆弱性に関して言えば非常に重要であるように思えました」と筆頭著者の大学院生マイケル・ルイゾン氏は言います。

この仮説を検証するため、熱心な釣り人であるルイゾン氏は1週間続けて釣りをしました。彼は、最初に孵化場からブルーギルを実験用の池に移し、全ての個体に識別用のタグを取り付けました。「彼らは自然の湖環境で生活していました。餌を探したり、捕食者を避けたりする必要があったからです。そのため、彼らは現実の魚と言えます」

5日間に渡って、彼と他の釣り人たちはその池で、通常のブルーギル用の仕掛けで釣りを行いました。魚を捕まえると、すぐに識別番号をチェックして、池に再び離しました。週の終わりに池の水を抜いて、見つかった魚をすべて研究室の水槽に移しました。そのうち38匹を実験グループとしました。

その半分は少なくとも1度釣られた魚で、残りは一度も釣られなかった魚です。餌に釣られた魚と釣られなかった魚の間に、社交性の違いがあるのかを調べるため、ルイゾンと彼のチームは、簡単なテストを考案しました。普通の直方体の水槽の真ん中にガラス製の仕切りを設置します。検査するブルーギルを1匹片側に、6匹のランダムに選んだブルーギルをもう一方に入れます。

「私達は、魚が仕切りの先にいる魚たちと付き合おうとして、仕切りのすぐ近くでさまよう時間を計測しました。社交的な魚はガラス仕切りの近くを多くさまよい、社公的でない魚はあまり近づかないと予測できます。」その結果、釣られた魚のほうが、釣られなかった魚よりも多くの時間を仕切りの近くで過ごすことがわかりました。テストは各魚に付き2回行なわれ、その結果は一貫性のあるものでした。釣られた魚は本質的に社交的だったわけです。

ルイゾンは、攻撃性もまた、ブルーギルを餌に向かわせる要因になるかもと考えました。そこで、テストグループから1匹と、池にいる1匹をペアにして同じ水槽に入れました。

「どの場合でも、一匹の魚が優位となります。つまり、水槽の真ん中に陣取り、もう一匹を端に追いやるのです。従属的な魚が真ん中に戻ろうとすると、優位な魚は攻撃を仕掛け、端へと戻します」

興味深いことに、釣られた魚は、釣られなかった魚よりも攻撃的だったり優位だったりすることはありませんでした。ただ、「社交的なだけ」だったわけです。

釣りによって社交的な魚だけが取り除かれると、自然のブルーギル集団が変わってしまう可能性があります。一般的にグループを作る生き物は、集団で捕食者を警戒することで生存率を高めます。釣りによってブルーギルの集団がどうなってしまうのか、変化が長期化することがあるのかは、研究者にもまだわかっていません。ルイゾンの次の目標は、多くの釣人によって釣りが行なわれている湖と、山奥で釣り人のほとんどいない湖でブルーギルの社交性に違いがあるのかを調べることです。

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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