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ベーコンなどの加工肉が「精神」に影響を与える可能性

2021.01.27 Wednesday

2018.07.22 Sunday

Point
・躁症状のある人たちは、他の精神病患者たちよりも、加工肉を食べた割合が3倍以上あった
・ラットにジャーキーを与えると行動が増え、海馬にも信号の変化が見られるようになった
・躁症状と硝酸塩の関係は、腸内細菌を介した関係である可能性

硝酸塩を加えた塩漬け肉、例えば、ビーフジャーキーやベーコンは、躁病歴を持った人たちにおいて、長期にわたる活動亢進、不眠、注意力低下と関係しているようです。

ジョン・ホプキンス大学で行われた研究で、躁病の症状がある患者は、他の精神病の患者に比べて3倍以上、加工肉を食べてきていたことがわかりました。

Nitrated meat products are associated with mania in humans and altered behavior and brain gene expression in rats
https://www.nature.com/articles/s41380-018-0105-6

研究では、躁病、双極性障害、大うつ病、統合失調症の患者700人の医学的記録を使いました。そして、すべての患者に、「地元で買った干し肉を食べたことがあるか?」とか、「生のマグロのような、十分火を通していない魚を食べたことがあるか?」といった質問によるアンケート調査をしました。その結果、躁病に分類される人たちには、加工肉を消費する人が多いことがわかったのです。

この結果が強く示唆しているのは、ハムやジャーキー、サラミといった加工肉を多く摂ることが、躁状態の発症に何らかの役割を果たしているかもしれないということ。

この相関の背後にあるメカニズムは明らかにはされていませんが、ラットを使った追加実験で、通常の餌にジャーキーを混ぜて食べさせると、行動が多くなり、海馬での信号伝達が変化することがわかりました。また、ラットの腸内細菌環境の変化も見られたことは、肉に加えられた硝酸塩と神経系への影響を考える上での手がかりとなります。

加工肉には亜硝酸ナトリウムが添加物として含まれています。腐敗や酸化を防止したり、発色を良くするためです。加工肉に加えられた窒素化合物は、過去にもガンとの関係が見つかっています。今回のケースでは、窒素化合物は腸内細菌に影響を及ぼすことで、悪影響をもたらしている可能性があります。

私達の脳と、腸内の細菌は複雑に関係しあっています。細菌と、感情状態、パーキンソン病の発症、脳卒中のリスクの間には関係があることがわかっていて、現在研究が続いています。なので、加工肉に含まれる硝酸塩に反応した腸内細菌が、躁病や双極性障害の躁症状を悪化させたとしても不思議はありません。

とはいえ、あなたがジャーキーを永久に捨て去る必要はありません。躁病歴のある人にとっては、問題を軽減する助けとなる役立ち情報と言えるかもしれません。

via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

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