第9惑星などの偏った軌道は「放浪星」が原因の可能性

science_technology 2018/07/21

Point
・若い恒星の振る舞いデータや太陽系のモデル化で恒星接近通過のシミュレーションをしたところ、天体の軌道の混乱が見られた
・「惑星X」の質量は地球の10倍と予想されているが、今回のモデルでは同質量でも同じ効果があることがわかる

数十億年前、太陽系をかすめた「放浪星」の暴走により、海王星より外にある太陽系外縁天体の歪んだ軌道を説明できるようです。

新たな論文で研究者たちが提唱するのは、恒星の接近通過が太陽系の何千もの小さな氷の天体を奇妙な位置や軌道へと撒き散らしたという説。この新しい説は、周回するのに11,400年もかかる準惑星セドナの軌道といった、太陽系の普通ではない特徴を説明することができます。

Outer solar system possibly shaped by a stellar fly-by
https://arxiv.org/pdf/1807.02960.pdf

また、冥王星よりも遠くにある、神秘的な第9惑星「惑星X」を説明してもいます。この天体は、地球の10倍の大きさであると信じられており、太陽からずっと遠くにある天体として考えうる大きさを超えています。しかし、新たな説によると、この惑星の大きさは地球と同程度であるようです。

セドナを含む太陽外縁系の天体は、トランスネプチュニアン天体とも呼ばれ、その多くが説明できない軌道と大きさを持っています。これらの天体のうちおよそ20個は、他の太陽系天体に比べると偏って間延びした軌道をとっており、ある科学者たちの考えでは、そばを通過した恒星によって歪められたとされています。

Credit: NASA / 惑星セドナのイメージ

研究の筆頭著者スザンナ・ファルツナー教授はこう語っています。「ある種の折衷シナリオをとっても良いでしょう。惑星の運動は、火星の低質量のような内部の太陽系で見られる事柄を原因とすると同時に、恒星の接近通過が太陽系外縁の性質の原因となったのです」

マックスプランク研究所の彼女のチームは、若い恒星の振る舞いについての最新のデータを使って、この説をテストしました。数十億年前の初期の太陽系の形成に放浪星が関わっていた可能性があるのかを調べるため、何千もの恒星接近通過のシミュレーションにこのデータを放り込みました。何十億年の間に、星が太陽系をかすめて惑星の軌道を混乱させる可能性は、モデルによると4分の1ありました。科学者によると、これは、太陽系の歴史上のある地点でこのようなイベントが起こった見込みがあるということです。

チームは若い恒星の解析後に初期の太陽系をモデル化し、太陽から遠ざかるほどに密度が薄まる粒子のディスクをシミュレートしました。その結果、太陽と同質量の恒星が形成初期に、80-100AUの距離を通過した場合に、現在の太陽系と似た軌道を生み出しました。AUは、太陽と地球の距離です。小さな数千もの氷の天体を星間領域へと押出すことで、少数の外縁天体が残りました。

接近通過が多くの物質を外側へと押しやったので、30AUの距離に急な物質の減少が生じました。これは現在の太陽系と似ています。このモデルによる結果は、多くのトランスネプチュニアン天体の奇妙な軌道と位置にまつわる謎を解明してくれるかもしれません。

また、惑星Xについては、他の惑星に影響を与えるのに必要な引力は、地球の10倍と見積もられていますが、今回のモデルでは、地球と同じ大きさでも同様の影響を及ぼせることがわかっています。

 

via: Daily Mail/ translated & text by SENPAI

 

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