脳波から「夢の種類」を特定することに成功

brain 2018/07/24

Point
・直近で実際に経験したことを夢に見ている時、シータ波と呼ばれる脳波が出ていることが分かる
・逆に外部刺激でシータ波を増やすことで、夢に干渉し記憶能力を上げられる可能性

「人間がなぜ夢を見るのか」には、いまだ決定的な答えはありません。夢は思い出しにくいだけではなく、「研究する」ことも難しいのです。

20世紀、精神医学者フロイトは「夢は起きている時の経験に影響を受けている」という仮説を立てました。それからというもの、心理学者や神経科学者たちは「起きている時の記憶とどのように結びついているのか」という問題に取り組んできました。

今回の新たな研究では、夢と起きている時の特定の時間の記憶を関連付ける科学的な方法があることが示されました。

Incorporation of recent waking-life experiences in dreams correlates with frontal theta activity in REM sleep
https://academic.oup.com/scan/article/13/6/637/5032636

“Social Cognitive and Affective Neuroscience”に掲載された論文によると、夢の内容を形成している記憶がいつ作られるのかを特定するのに、眠っている時のバイオマーカーが使えるとのこと。バイオマーカーとは、人の身体の状態を客観的に測定し評価するための指標です。

これを解明するため、研究者たちは睡眠中の学生20人の脳波を、脳波計を使って数日間測定を実施。レム睡眠中に学生を起こし、どんな夢を見ていたのかを報告してもらいました。そしてその後、夢の内容を期間中に学生がつけた10日間の日記と照合しました。

Credit: inverse

その結果、研究チームはレム睡眠中に見られるタイプの脳波であるシータ波と、直近の経験に関する夢の間に正の相関があることを発見しました。生徒が直近の経験に基づく夢を見ている時に、シータ波が強まっていたということです。

研究者は、このシータ波が「脳が半無意識下で直近の経験を整理している証拠」となるのではないかと考えています。そして、シータ波を利用し、脳が直近の経験を夢に多く登場させることで学習をより効果的にできると考えているのです。

脳波とある種の脳機能の間にある関係については多くの証拠がありますが、何が脳波を生み出すのか、正確なところはわかっていません。しかし、脳波に影響を与える方法はわかっていて、外部刺激を利用することで行われます。研究成果の蓄積によって、人の認知能力を強化することが可能になるかもしれません。今回の研究成果では、脳に正しい周波数、この場合は6ヘルツの刺激を脳に与えることです。

脳への刺激が実際に記憶形成の助けになるかを確かめるにはさらなる研究が必要となります。しかし、今回の研究がその確かな基礎をもたらしました。というのも、夢の内容がいつおこったのかを実際に示す、夢のバイオマーカーを手に入れることができたからです。

夢生成器ができるのも、時間の問題かもしれません。

 

via: Inverse.com/ translated & text by SENPAI

 

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