かつて「月」に生命が存在したかもしれない

space 2018/07/25
Credit: NASA / JPL / USGS
Point
・月に生命が存続可能な時期が2度あったことが示される
・当時、水分を含んだ十分な大気が存在し、地磁気も存在した可能性がある
・地球から隕石で生命が持ち込まれたとするシナリオが有力であるが、さらなる月探査が望まれる

現在、月面は生物が生きられる環境ではありません。しかし、遠い昔には存在していた可能性が浮上しました。

“Astrobiology”で発表されたワシントン州立大学の宇宙生物学者ダーク・シュルツェ=マクッフ氏の研究によると、生命存続可能な環境が、2度に渡って月に存在していた可能性があります。

シュルツェ=マクッフ氏とロンドン大学のイアン・クラウフォード氏が述べるには、40億年前の塵の円盤から月が形成された直後と、35億年前の月の火山活動がピークを迎えた時代の2回。この2度に渡る時代に、単純な生命の生存を支えるのに十分な環境が月面にあったそうです。

これらの時代、月は大量の高温な揮発性ガスを放出しており、その中には水も含まれていたと考えられます。シュルツェ=マクッフ氏らは、このガス放出が水たまりを月の表面に生み出し、数百万年の間それを維持するのに十分な濃さの大気があったと言います。「もし、液体の水と十分な大気が初期の月に長い間存在したとすれば、月の表面は少なくとも一時的には生存に適した環境だったと考えられます。」

生命の材料

近年の宇宙計画や月の石や土の標本の注意深い解析によって、月が思っていたほど乾いていないということがわかっています。彼らの研究は、この発見に基づいたものです。また、初期の月は磁場によって守られていた可能性があり、致死的な太陽風から地表の生物を守ることができた可能性があります。

2009年と2010年には、科学者の国際チームが月で何億トンもの氷を発見しています。加えて、月のマントルには大量の水が存在する強力な証拠もあり、これは月の初期形成期に蓄えられたものだと考えられています。

宇宙を旅する微生物

月の生命は、地球の生命と同じような経緯で月面で発生した可能性があります。しかしさらに可能性が高いのは、隕石によって生命がもたらされたというものです。地球上で最も初期にあたる生命の証拠は藍藻の化石で、35億から38億年前のものです。当時、太陽系では多数の巨大な隕石衝突がおこっていました。藍藻のような単純な生命を含んだ隕石が、地球の表面から噴出され、月に到達したというのはありうることです。

「当時、月が生存に適していたというのは、非常にありえるように思えます。月面が乾燥して死に絶えるまで、微生物が実際に水たまりで栄えていた可能性があります」

月のシミュレーション

月面で生命が発生したのか、それともどこかから運ばれてきたのかを特定するためには、もっと積極的な月探査を待つしかないということは、シュルツェ=マクッフ氏も認めています。最も有望な調査法は、火山活動が活発だった時期の堆積物のサンプルを採取し、水や生命の可能性を示す他の指標を見つけるというものです。さらには、地球上や国際宇宙ステーションで月の環境を再現して、その環境下で微生物が生き残れるのかを調べることができれば、初期の月に微生物が存在できたのかを予測できるでしょう。

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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