火星に「液体の水」を発見! 「生命も生き残れる環境」

space 2018/07/26

Point
・火星の南極の氷の下をマーズ・エクスプレスのレーダーで調査
・レーダー調査の結果、氷の下に液体の水の層とみられる強い反射を確認
・液体の水が氷の下に安定して存在している証拠が初めて示される

イタリア国立天文物理研究所などのチームが25日、火星に「液体の水」が存在する証拠を発見しました。

彼らが見つけたのは、南極の氷冠の下にある湖で、幅は20kmほど。過去の研究でも、火星表面に断続的な水の流れの痕跡は見つかっていましたが、今回の発見は、現在も火星上に液状の水が安定した形で存在するという初めての証拠となります。この研究論文は、27日発行のScience誌に掲載される予定です。

Radar evidence of subglacial liquid water on Mars
http://science.sciencemag.org/content/early/2018/07/24/science.aar7268

以前NASAのキュリオシティが湖底を調べた結果、火星の表面にかつて水が存在したことが示されました。しかし、火星の気候はその薄い大気によってどんどん冷たくなり、ほとんどの水が氷として閉じ込められています。

科学者たちが現存する液体の水の証拠を長い間探し求めていたにもかかわらず、これまでは全く見つからないか、あるいは曖昧な発見で終わっていました。そのため、今回は非常に注目すべき発見です。また、地球外生命の研究にも寄与すると考えられます。

credit: NASA/JPL / キュリオシティ

今回の発見は、欧州宇宙機関のマーズ・エクスプレス衛星に搭載されたMarsisレーダーを使って行われました。Marsisでは湖の深さを決定することはできませんでしたが、研究チームの推測では最低でも1メートルはあるということです。

Marisisのようなレーダーは、信号を送って跳ね返ってきた信号を調べることで、惑星の表面や地下の浅い部分を調査します。レーダー調査の結果に見られる上部の白い線は、氷と塵がパイ生地のように重なった、南極堆積層(South Polar Layered Deposit)の始まり部分です。

画像上部がレーダー調査の結果。白い線と青い線がある

その下部、氷の下1.5kmに、研究者たちは奇妙なものを発見しました。「明るい青色で表された部分に、底の部分からの反射が見られます。それは、表面に見られる反射よりも強いものでした。これは水が存在しているという明らかな証拠です」と、イタリア国立天文物理研究所のロベルト・オロセイ教授は述べています。

液体の安定した水が発見されたということで、生命の存在を期待されますが、もちろん液体の水=生命ということではありません。地下の水の温度は-10℃から-30℃と見積もられており、水は多くの塩分が溶け込んだ濃い海水であると考えられます。地下で放射線から身を守れるという利点はありますが、低温と塩分の濃さは、生命にとって非常に過酷な環境です。

今回の発見を元に、今後は他にも同様の地下湖を見つけることが期待されます。また、今回見つかった湖の存在を確定させるためには、火星の南極に探査機を送って穴を掘る必要があります。しかし現在の技術では、地下1.5kmまで掘れる探査機を作ることは難しいとのこと。今後さらなる調査と技術改良が望まれます。

 

火星に「太古の生命体」の可能性? NASAが多種の有機物を発見と発表

 

via: BBC/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE