月食で赤く染まった月は昔の人々をパニックに陥らせていた

space 2018/07/27

28日明け方は、西の空で今世紀最長の「皆既月食」。地球が完璧に月と太陽の間に入るこの瞬間、月は血のように「赤い」神秘的な輝きを見せます。

その神秘的な輝きは「ブラッド・ムーン」と呼ばれ、かつて「不吉なもの」として恐れられたものでした。人々がこの現象によりパニックに陥るといったことも珍しくなかったようです。

ブラッド・ムーンをうまく利用したのが、あのクリストファー・コロンブスです。西暦1504年2月29日、現在のジャマイカにあたる島を6ヶ月以上も出ることができなかったコロンブスは、その日に月食が起こることを知っていました。

食糧が尽きかけていた彼らは、原住民であったアラワク・インディアンに対し、「神が食糧を隠していることに怒っている。その猛烈な怒りにより月は姿を消すか、炎を上げるであろう」と語ります。

その後予言どおり本当にブラッド・ムーンが姿を現したとき、アラワク・インディアンたちは恐れおののきました。そしてコロンブス一行に対し、神の怒りが鎮まるまで、何でも欲しがるものを与えたのでした。

探検家クリストファー・コロンブス

「真偽が不明なものも含めると、そのように未開の地の原住民をコントロールする目的で、月食が利用された言い伝えはいくつか存在しています」そう語るのはオーストラリアのモナシュ大学の文化天文学者、デュアン・ハーマッハー氏です。

また、利用されなかったとしても、無知であった多くの原住民たちはその不思議な現象に対して、純粋に「恐れ」を感じていたことが語られています。基本的には空の動きは不変のものです。その常識を覆すようなブラッド・ムーンに人々が恐怖や畏敬の念を抱いたことは想像に難くありません。

例を挙げれば、古代メソポタミア神話において月食は「七匹の悪魔の襲来」を意味しており、インカ文明においては「ジャガーが月を攻撃している」と表現されていたようです。そして、月や自分たちを守るために、インカの人々はヤリを月に向かって振り上げ、犬に吠えさせて騒ぎ立てたといいます。

月食の仕組みが分かってしまった今では、私たちはブラッド・ムーンに恐れを抱く代わりに好奇の目を向けます。地球の大気がみせる色のトリックに、誰もが思わず目を奪われてしまうことでしょう。

28日は、日本時間の午前4時30分ごろに月が地球の影に全て入る皆既月食を迎えます。これを逃すと次の機会は2021年5月までありません。ぜひ明日は早起きして、この素晴らしい天体ショーの観測してみましょう。

 

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via: space.com / translated & text by なかしー

 

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