ヒットする映画のストーリー展開を科学者が発見

culture 2018/08/03
Point
・映画を6つストーリー展開に分類して、経済的成功との関係を調べた
・はじめ転落してから這い上がる「man in a hole」と呼ばれるストーリー展開が、すべてのジャンルを通じて最も経済的成功をもたらすことが分かった

イギリスの科学者たちが、独自の研究により映画の経済的成功に必要な「公式」を発見したと主張しています。

彼らは6,147本もの映画の脚本データを分析し、一連のアルゴリズムに掛けてフィルタリングした後、最もお金を稼げるエモーショナル・アーク(登場人物の感情の変化)が「man in a hole」と呼ばれるものであることを突き止めました。

The Data Science of Hollywood: Using Emotional Arcs of Movies to Drive Business Model Innovation in Entertainment Industries
https://arxiv.org/abs/1807.02221

この発見は、映画界の現状を一変させる可能性があると、研究を率いたバーミンガム大学のガナ・ポグレブナ教授は語ります。新たな映画が作られるとき、内容決定のための聞き取り調査が行われるのが常です。しかしこれからは、そんな調査の必要性も無くなるかもしれないのです。

研究者たちは、映画を以下の6つのエモーショナル・アークに分類しました。

・「rags to riches(無一文から金持ち)」:継続的に感情が上向くもの。代表作は『ショーシャンクの空に』。

・「riches to rags(金持ちから無一文)」:継続的に感情が下降するもの。代表作は『サイコ』。

・「man in a hole (穴の中の男)」:最初に落ちてから這い上がっていくもの。代表作は『ゴッド・ファーザー』。

・「Icarus(イカロス)」:最初に上ってから転落するもの。代表作は『波止場』。

・「Cinderella(シンデレラ)」:はじめ上って転落した後、また這い上がるもの。代表作は『ベイブ』。

・「Oedipus(オイディプス)」:はじめ落ちてから這い上がり、また転落するもの。代表作は『オール・アバウト・マイ・マザー』。

 

その後研究者たちは、それらのエモーショナル・アークを、ジャンルを越えて経済的に成功した映画クラスターと対応付けることに成功。この解析によって、幸福-落胆-幸福のプロットをとる「man in a hole」の映画がすべてのジャンルを通して最も経済的に成功したことが示されました。そのプロットでは、平均4千万ドル掛けて作られた映画が、平均5千4百万ドルを稼ぎ出していました。

研究者たちはまた、「man in a hole」の映画は最も「好まれる」映画ではなく、最も「話題になる」傾向が高いことを明らかにしています。

さらにポグレブナ教授は、研究の成果が多元的であることを語ります。例えば「riches to rags(金持ちから無一文)」のプロットでは、壮大で多くの予算によって制作された「バットマン」のような映画は成功する可能性があります。また、「Icarus(イカロス)」映画は低予算で成功し、「Oedipus(オイディプス)」映画は表彰式には上がりにくいといったことも分かりました。

ポグレブナ教授は、この学問的研究により、映画会社がさらにクリエイティブになることを望んでいます。というのも、この安全に商業的成功を収められる法則を利用することで、映画会社がもっと実験的な映画にも予算を回せるようになるからです。

この研究から、「ベタ」な作品が増えているのは、私たちが望んでいる結果であることが分かります。確かに「ベタ」も大事ですが、時には「ブッ飛んだ」作品で私たちを楽しませて欲しいものです。

 

視聴者の退屈度で展開が変わる映画が登場。総ルート数は101兆

 

via: The Guardian / translated & text by SENPAI

 

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