宇宙で初めて「放射性同位体分子」の一つを発見

space 2018/08/01
Credit: ESO/T. Kamiński
Point
・こぎつね座CK星という新星をミリ波分光分析したところ、放射性同位体を含む分子26AlFを発見
・放射性同位体を特定する方法が見つかったことで、さらなる発見が期待できる

長い探索の末に、宇宙の謎の1つが解かれました。天文学者たちは初めて、宇宙で放射性分子を発見しました。それは珍しい新星の中心で見つかったもので、アルミニウムの放射性同位体です。

Astronomical detection of radioactive molecule 26AlF in the remnant of an ancient explosion
https://www.nature.com/articles/s41550-018-0541-x

科学者たちは長い間、放射性アルミニウムを含む「一フッ化アルミニウム」である26AlFを探していましたが、直接の観測は困難を極めていました。

宇宙に26Alが存在するということは、何十年も前からわかっていました。1984年にNASAのHEAO3衛星のデータから、放射性同位体のベータ崩壊からくるガンマ線放射が特定されています。また、その観測から天の川銀河にはおおよそ太陽2つ分の26Alがあることが判明。しかしガンマ線天文台の感度不足から、どの天体が26Alを生み出しているのかは特定出来ていませんでした。

今回の発見のきっかけは、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターとマックスプランク研究所のチームが、最先端の宇宙天文台で「こぎつね座CK星」と呼ばれる天体を観測したことです。

この奇妙な天体について知られていたのは、文献に出てくる最も古い新星であり、こぎつね座の位置に2280光年の距離にあるということだけ。この天体が最初に文献に現れたのは1670年で、当時突然輝き出して生まれた星だといわれています。

Credit: T. Kamiński / 星雲構成の色分け。青はジアゼニリウムであり、赤はメタノール

2015年に、この天体が2つの「恒星の衝突」の結果生まれた可能性があることがわかりました。この天体は、星から漏れ出る非常に珍しい同位体組成を持つ分子ガスによって取り囲まれています。研究者たちは、NOEMAミリ波干渉計やALMAのバンド5レシーバーのような強力な観測装置を使うことで、この残骸の小さな領域に同位体の特徴を発見しました。

今回の発見はこの「恒星の衝突説」を支持しており、また恒星の融合残骸が26Al形成の背景として、考慮するもののリストに入ることになります。この発見を元にして、他の天体でも26Alが見つかることが期待できるでしょう。ミリ波分光分析がガンマ線観測よりも、同位体を形成する天体の特定には、ずっと適していることが示されたからです。

天の川銀河に存在すると推定される26Alの量を満たすには、単純に恒星の融合だけでは足りません。しかし、この発見を期に、研究者たちはどこに何を探せばいいのかがわかったのです。

 

また宇宙で一般相対性理論の正しさが証明される 超大質量ブラックホールの近くでは初めて

 

via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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