ギザの大ピラミッドには「電磁気力を集中させる」力があるという研究を物理学者が発表

science_technology 2018/08/02
Credit: Nina Aldin Thune/Wikimedia
Point
・ピラミッドのモデルを使った理論研究で電磁波がピラミッド内部の部屋と地下に集中することを発見
・ナノセンサーや効率的な太陽電池といったナノテクノロジーにこの電磁波集中の応用が望まれる

物理学者たちの国際チームによる理論研究で、ギザの大ピラミッドは内部の寝室と地下に電磁気力を集中できることが分かりました。これは将来のナノ粒子研究において重要な発見となる可能性があります。

Electromagnetic properties of the Great Pyramid: First multipole resonances and energy concentration
https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.5026556

可視光、電波、マイクロ波などを含む「電磁波」は、振動する電磁場による波の放射です。電磁波は常に私たちの周囲に存在しています。例えば光は電磁波の一種ですし、他にもラジオやWi-Fiの電波、電子レンジのマイクロ波など、現代生活になくてはならないものばかりです。

おそらく私たちが一番馴染みがあるのは、Wi-Fiの電波の強さが場所によって変化することでしょう。もしかしたら今後は、家の屋根をピラミッドのてっぺんのように尖らせると解決するのかもしれません。

研究者たちは、ピラミッドが電磁波にどのように働きかけるのかを調べるため、電波で誘発される可能性のある共振がどの程度存在するのかを推定しました。

ロシアのITMO大学アンドレー・エブリューキン氏によると、研究にあたり、ある仮定を使う必要があったとのこと。例えば、まだ発見されていない空洞は無く、ピラミッドの内部と外部は等しく通常の石灰岩を材料として建てられている、といったものです。

Credit: Journal of Applied Physics / ピラミッドの基部へのエネルギー集中を示す多重極解析データ。(a)-(e)は電場の分布、(f)-(j)は磁場の分布。ピラミッドとその基盤が示されている。

つぎに、ピラミッドとその電磁気に対する反応のモデルを組み立てました。「減衰断面積(extinction cross section)」を計算することで、ピラミッドによって波のエネルギーがどれだけ分散、あるいは吸収されるのかを計算。「多重極解析(multipole analysis)」と呼ばれる特別な解析法で、分散した電磁場がピラミッド内部の寝室と地下に集中することがわかりました。

Credit: Journal of Applied Physics / ピラミッドの隠し部屋での電磁気力の集中を示す多重極解析データ。上段は電場の分布、下段は磁場の分布。フリースペースでの分布が示されている。

ただ、古代エジプト人が電磁波のことを知っていたとは考えにくく、おそらくは偶然の一致ではないかと考えられています。ピラミッドの謎は別にしても、同様の電磁波集中効果をナノサイズのセンサーや、効率的な太陽電池などに応用できる可能性があると考えられています。

「最新の物理学の方法とアプローチをピラミッドの特性の研究に応用することは、重要であるとともに生産的なのです」と、論文には記されています。

「それは私たちに新発見や、古代ピラミッドへの関心を引き起こす新しい情報をもたらすかもしれません」

 

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via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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