革命? 汚染水を一瞬で透明にするスポンジ素材の開発に成功

technology 2018/08/07
Credit: Mark Stone/University of Washington
Point
・汚染水を透明にするスポンジ素材の開発に成功
・スポンジは吸水性に優れ、絞ることで何度も使用できる
・汚染水による植物の光合成への悪影響を防ぐことが期待される

汚染水を透明にできるスポンジ素材の開発に、ワシントン大学が成功しました。この素材により、汚染水による植物の光合成への悪影響を防ぐことが期待されています。

Reagentless preparation of shape memory cellulose nanofibril aerogels decorated with Pd nanoparticles and their application in dye discoloration
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0926337318305289?via%3Dihub

汚染水の要因となる染料は、衣服や化粧品、食料品など、生活の様々な場面に見られます。その使用量は全世界で年間約70万トンにも及びます。しかし、染料が廃棄されるときに全ての染料が正しく処理されるわけではありません。水道や下水処理場などの水インフラが整っていない地域では、川や湖にそのまま捨てられてしまうのです。

染料が川や湖に捨てられると、水が汚染されます。そして染料の色に染まった水を植物が吸収すると、着色により、光合成の際にうまく光を吸収できなくなります。そうなると、二酸化炭素から酸素への変換が滞って生態系の変化や大気汚染を引き起こしてしまいます。

この光合成への影響に歯止めをかけるのが、今回開発されたスポンジ素材です。このスポンジ素材は、セルロースとパラジウムで作られています。セルロースは植物の細胞壁に多く含まれ、パラジウムは触媒としてよく利用されます。研究チームは、この2つの要素を混合、加熱、凍結乾燥させることで色素を吸着しやすいスポンジ状の素材を開発しました。

Credit: Mark Stone/University of Washington

新しいスポンジ素材は、その99%以上が空気で占められているほど通気性のよい構造となっています。そのため水を通しやすく、色素の吸着が効率よく行われます。また、このスポンジは絞ることで、吸着能力を落とすことなく何度も使用できます。

研究者らは、赤や青の染料で染められた水の色をスポンジが吸着できるか実験を行いました。その結果、スポンジを入れてかき混ぜると10秒ほどで水が透明になりました。また、染料で汚染された湖の水でも実験を行い、効果があることを発見しました。

今回の研究の論文著者アントニー・ディキアラ氏は、「染料は少量でも湖の色を劇的に変えてしまいます。今回の研究は、現実的に応急処置が必要となる、水の染料濃度が低いときに非常に有効です」と述べました。

 

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via: Washington.edu / translated & text by ヨッシー

 

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