落ちているエレベーターでタイミングよくジャンプしたら生き残れるのか

fun 2018/08/10

よく耳にする、「エレベーターが落ちる寸前にジャンプしたら助かるのか」という問題。果たして本当に、ジャンプすることで生き残れるのでしょうか?

想像してみてください。あなたを乗せたエレベーターが何階か上昇した後で振動して止まり、バチンという音がしました。すると擦り切れたケーブルがちぎれ、急落下してしまいます。あなたなら、どのタイミングでジャンプしますか?

気づくべきポイントは、エレベーターとともにあなたも落ちているということです。例えば、エレベーターの床がエレベーターシャフトの土台にぶつかって急に止まったとき、あなたもまた突然止まります。

それではここで、エレベーターにカメラを付けてみましょう。カメラはあなたと一緒に落ち、重要な最後の瞬間をスローモーションで撮影してくれます。

エレベーターが床に激突した瞬間、あなたは飛び上がります。その時カメラには、あなたのジャンプ力に見合ったスピードであなたが上昇するように映ります。

その決死のジャンプのおかげで、あなたはエレベーターよりはゆっくりと落ちます。あなたがエレベーターの床に着いたときのスピードは、エレベーターの落下スピードからあなたのジャンプスピードをひいた速度です。

重要なのは「落ちた距離」

同じように、高さから考えることも出来ます。どれくらいの高さからエレベーターが落ちたか、あるいはどれだけ高くあなたがジャンプできるかということです。

まずは、楽天的に考えてみましょう。あなたはNBAのバスケ選手で、垂直跳びは70cm跳べるとします。その上でいくつかのシナリオを挙げてみます。

2階(3m)から落ちる:タイミングが合えば、床についたときの衝撃は80cmから飛び降りた程度です。余裕の笑みを浮かべましょう。あなたは無事です。しかし、反応までの時間は0.8秒しかありません。心してかかってください。

4階(9m)から落ちる:床に着いたときの衝撃は、4.7mから落ちた時相当です。命は無事かもしれませんが、怪我をする可能性があります。中には、エレベーターの中で寝転がることを推奨する人もいます。それによって、全身に衝撃を分散できるからです。しかし、これはひどい方法です。なぜなら、真っ先に頭を守る必要性があるからです。体には衝撃を吸収する部位もあるでしょうが、頭への怪我は転落の際、高い死因へと繋がります。まだ両足を骨折したほうがマシです。

6階(15m)から落ちる:床に着いたときの衝撃は、9mから落ちたのと同じ。しかしこの違いが生死を分けます。なので最も重要なケースであると言えるでしょう。反応するまでに1.7秒あります。幸運を祈ります。

8階(21m)から落ちる:14mから落ちたのと同じです。残念。しかし飛び上がるまでの準備には2秒あります。

科学的な推測

ここまでの推測は、大分単純化したもの。地面が見えないにもかかわらず、タイミングが完璧であると仮定しているからです。

しかし、タイミングは非常に難しいものです。遅すぎると地面に衝突してしまいます。逆に早すぎると、頭をエレベーターの天井に打ち付けてジャンプによるスピードを失うことになります。

また、ジャンプする時、効果的に地面を蹴る事ができると仮定しました。しかし、重力がエレベーターの床をあなたから遠ざけるように引っ張るため、これもまた難しいのです。もし、急に自由落下し始めたとすると、床に足をつけるためには手すりをしっかり握っておく必要があります。

エレベーターシャフトの底の硬い地面に衝突するとも仮定しました。しかし、エレベーターの落下で生き残った人は、シャフトの底に巻かれたケーブルがショックを吸収したことで助かっています。ちなみに、多量の壊れたケーブルがエレベーターの天井の上に落ちてきた例もあります。

ジャンプする前に、エレベーターは時速200kmを超えるでしょう。しかし、「空気」が違った方法であなたを助ける可能性があります。エレベーターの下のシャフトに閉じ込められた空気が、付加的なクッションとなるかもしれません。ふたたび、8階からエレベーターが落ちると仮定しましょう。もしエレベーターシャフトがピストンのように完璧に密封されていれば、エレベーターは重さを支える圧縮された空気に、さらなる圧力が掛かる前にたった50cm下がるだけです。

しかし、普通エレベーターシャフトとエレベーターの間には隙間があるので、このクッションから空気が抜けてしまいます。もし、エレベーターが空気に圧力をかけるより速く空気が漏れたり、下の階のドアが開いていたりすれば、速く落ちてしまうことになります。

封筒の裏でのラフな計算だと、空気を効果的に閉じ込めるには、エレベーターとシャフトの間の隙間は30−50cm以下である必要があります。

しかし、心配はいりません。最近のエレベーターは、複数のケーブルや電磁ブレーキといった幅広い安全措置が講じられています。ただし最悪の事態が生じてしまったら、この記事を思い出してください。ジャンプして、生き残りましょう。

 

via: The Conversation/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

funの関連記事

RELATED ARTICLE