古い隕石から地球上の「生命誕生の鍵」が見つかる

space 2018/08/12

Point
・炭素質コンドライト隕石という非常に珍しい隕石中の有機物について、酸素同位体を解析した
・その結果、これらの有機物が初期の太陽系で通常の化学反応によって生み出されたことがわかった
・生命を構成する元素は、初期太陽系内部を起源にしており、同じ元素が他の惑星にも存在する可能性は高い

太陽系が誕生して間もない45億年前。当時形成された隕石から見つかった有機物の起源によって、地球上における生命誕生の秘密を探る鍵がもたらされました。

マンチェスター大学などによって、コンドライト隕石に含まれる有機物が、おそらく太陽系が生まれたてであった時期に基本的な化学反応を介して形成されたことが確認され、論文が7月31日に”PNAS“で掲載されています。この発見は、他の太陽系における生命存在の可能性を研究する助けとなると考えられています。

Insights into the origin of carbonaceous chondrite organics from their triple oxygen isotope composition
http://www.pnas.org/content/early/2018/08/02/1808101115

炭素質コンドライトは、コンドライト隕石を基にした隕石で、太陽系と同じくらい古いものです。マンチェスター大学の地球環境科学大学院のロマン・トーティーズに率いられた研究者たちは、これらの隕石で見つかる有機物を構成する酸素の同位体を解析しました。同位体とは、同数の陽子を持っている原子で中性子の数が異なるものです。同位体解析でわかるのは、化合物の同位体的痕跡で、その形成に関わった過程の特徴を読み解けます。それにより、隕石に含まれる生命にとって必須となる元素(例えば、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄など)を持った有機物の起源を正確に知ることが出来ます。

その結果が示したのは、もし有機物が太陽系内で起こる基本的な化学反応で形成できるなら、それらは他の惑星系にも広がっている可能性があるということです。

炭素質コンドライトは太陽系で形成された岩、有機物、氷、粒の細かい塵といった一次固形物質から出来ています。地上で見つけて解析することで、タイムカプセルのように何十億年も掛けて惑星生まれて進化した様子を教えてくれます。

「コンドライトは初期太陽系のスナップショットです。どのように原始惑星や惑星が生まれ、その過程はどのようであったかに関する洞察を与えてくれます」とトーティーズ博士は述べています。有機物が豊富な炭素質コンドライトは特に珍しく、すべての見つかった隕石のほんの数パーセントしかありません。

地球は活動的な惑星です。プレートテクトニクスや侵食のような作用で地球初期の記録の多くは失われます。そのため、どのように私達の惑星が生まれ、進化したかを理解するには、コンドライトの包括的な研究がより一層重要になるのです。

パリの国立自然博物館にあるサンプルを使って、2年掛けて正確な測定を行い、初期に形成された隕石の中のいくつかについて、有機物の酸素同位体組成を解釈しました。

研究によって、炭素質コンドライト有機物の「高精度三重酸素同位体解析」を得ました。過去の研究では有機物に豊富に含まれる生命体のブロックとなる2つの元素ー水素と窒素ーに焦点が当てられていました。酸素は水素や窒素といった他の元素に比べて重要な利点があります。それは、隕石の中に含まれる有機物の中に10%−20%という高い割合で豊富に含まれていることです。しかし、もっと重要なのは3種類の安定した放射性同位体があることです。水素や窒素には2つしかありません。

3種類の放射性同位体があることで、酸素はより多くの情報を提供してくれます。それによって、コンドライト有機物の起源を更に絞り込む重要な証拠が得られます。

「酸素同位体のパターンは太陽や小惑星、地球型惑星の組成をリンクしている関係と似ています。なので、炭素質コンドライト有機物が初期太陽系で化学反応によって形成され、星間物質から受け継いだものではないことが示されたと言えるでしょう」

 

生命の起源を発見? 惑星科学的視点、鍵はワイン造り

 

via: Science Daily/ translated & text by SENPAI

 

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