リモートワーカーは、出社する人々とは異なるコミュニケーションを発達させることが判明
・場所を選ばないリモートワークにおいて「同僚とのコミュニケーションの質」の担保は大きな課題
・リモートワークと顔を合わせて仕事をする場合では、コミュニケーションのスタイルが異なる
・リモートワークでいいコミュニケーションがとれなければ、相当の孤独を感じてしまうことになる
徐々に増えつつある「リモートワーク」。ある研究では、アメリカにおいて「自宅」で仕事をしている人の割合が、過去10年で159%の上昇をみせたことが示されています。
「通勤時間がない」などのわかりやすいメリットがあるリモートワークですが、それがどのように社内のコミュニケーションや、生産性に影響しているのかについてはあまり知られていません。
その「実際、リモートワークってどうなの?」といった疑問を解消すべく、503人の国際的なリモートワーカーに対して調査が行なわれました。
調査の結果、過半数以上(62%)のリモートワーカーが「同僚とのつながりを感じている」と答えていたことが分かりました。しかし、オフィスベースで仕事をしている人に尋ねてみたところ、そのオフィスで仕事をしていない人について「つながりを感じている」と答えたのは40%にとどまりました。この差については、リモートワーカーの方がバーチャルでのコミュニケーションに慣れているといったことが要因として考えられます。
またある研究では、リモートワーカーが「フェイス・トゥ・フェイス」の場合とは異なるコミュニケーションを発達させることが示されています。
実験では、生徒を「顔を合わせて同じ部屋で作業するチーム」と「顔を合わせず別々の部屋で作業するチーム」に分けて行いました。すると、両者にはすぐに異なるコミュニケーション・スタイルが発現します。リモートで作業をしていたチームは、より長く、礼儀正しく、ポジティブでユーモアのあるメッセージの交換をしていたことがわかりました。一方、同じ部屋で作業をしていたチームは、短く、率直で、より作業にフォーカスを当てたコミュニケーション傾向が確認されました。
フリーランサーにとって、遠く離れた場所の人とチームを組んで仕事をすることは珍しいことではありません。前述の実験のような質のいいコミュニケーションが図れる場合であれば問題ありませんが、もし他のメンバーがコミュニケーションに積極的でなければ、あなたが相当の孤独を感じてしまいかねません。
リモートワークを成功させたいのであれば、リモートワーカーが「同僚とつながっている」といった感覚を持たせてあげることが重要です。組織の規模が大きくなればなるほど、それは難しいこととなりますが、大きな仕事であればあるほど「同僚との協力」は欠かせないファクターとなるのも事実です。
「コミュニケーションの質」といった一つの大きな課題を抱えたリモートワークですが、もちろんそれを上回る様々なメリットがあります。いずれにせよ私たちの「働き方」は今、大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。
via: QUARTZatWORK / translated & text by なかしー