「睡眠学習は不可能」という研究結果が示される

brain 2018/09/22

Point
・条件反射のような単純な条件づけは、睡眠中でも形成されることが知られている。
・睡眠中でも単音の刺激に脳は反応しているが、それを組織だってグループ化することはできないことがわかる
・学業の成績を上げるような複雑な睡眠学習は出来ない可能性

ULB神経科学研究所が率いる研究グループは、脳波の低くなる徐波睡眠中には、学習能力が制限されることを発見しました。脳磁図(MEG)を使って、脳が眠っている間にも音を知覚できるにもかかわらず、その音を組織だった並びに一致させるようにグループ化することが出来ないことを示したのです。研究は“Scientific Reports”に発表されました。

Lack of frequency-tagged magnetic responses suggests statistical regularities remain undetected during NREM sleep
https://www.nature.com/articles/s41598-018-30105-5

60年代頃から、様々な「睡眠学習」が代わる代わる流行しています。しかし昨今は、睡眠中の学習能力を支持する科学的な証拠が無いことから、だんだんと廃れているようです。

ただし最近の研究では、条件反射のような基本的な条件づけは、人でも動物でも睡眠中に形成されることが示されています。とはいえ、外国語の習得などといった高度な学習が、睡眠中に可能かどうかはわかっていません。

論文によると、脳は寝ている時も起きている時と同じように「音」を感知し続けられる一方、それらの音を「音の並び」のようにグループ化する能力は、起きているときにしか示されず、寝ているときには完全に消失するということです。

研究者はMEGを使って、一連の音の統計的な学習を反映した脳の活性を記録し、徐波睡眠(脳の活性が強く同調して見られる睡眠の一部)中と、覚醒時について研究しました。睡眠中、参加者は単音の速い流れにさらされます。その音はランダムに生成されたものか、音響ストリームが3つの音素のセットに統計的にグループ化されたものです。睡眠中、脳のMEG反応は、個々の音の検出では保存されていましたが、統計的な音の並びの認識では反応しませんでした。しかし、覚醒中だとすべての参加者が3つの音がセットでグループ化されたものを反映した脳のMEG反応を示しました。

この研究の結果は、徐波睡眠中の新たな学習に本質的な限界があることを示しており、睡眠学習能力は単純で初歩的な連想に限られる可能性を示唆しています。

 

寝ている間に学習できたらこれ以上ないほど効率的ですが、そう上手くはいかないようです…残念。

 

新しいスキルを2倍速く習得するコツは「わずかな変化をつける」

 

via: Science Daily/ translated & text by SENPAI

 

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