ついに打ち上げ成功!史上最も太陽に接近できるNASAの太陽探査機「パーカー」の「強さ」

space 2018/08/13
Credit: NASA
Point
・NASAが太陽の謎を解き明かすために探査機を打ち上げた
・太陽には「コロナの温度」などの謎が多く残されており、この探査機が有益なデータを持ち帰ることが期待される
・探査機には太陽の「超高温」に耐えうるための高性能シールドが取り付けられている

日本時間で12日の夕方、NASAが超高温の恒星「太陽」の秘密を解き明かすべく、探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」を打ち上げました。何度も太陽に接近する予定で、そのかつてないミッションの成功が望まれます。

私たちにとって欠かせない存在である太陽ですが、多くのことが今でも謎に包まれたままです。代表的なものが、太陽の大気層とされる「コロナ」。コロナの温度は太陽の表面よりも100万℃以上高いとされていますが、その理由は分かっていません。また、オーロラの原因とされる「太陽風」への理解が進むことも期待されます。その発生原因や性質について、わかっていないことは多いのです。

プロジェクトに参加したジョンズ・ホプキンス大学の科学者ニコラ・フォックス氏は、この大仕事を「最高にクールでホットなミッション」と表現し、次のように語っています。

「太陽に関する様々な疑問は、実際に太陽に『タッチ』するまでは答えが出ません。その表面よりもコロナの温度が高いといった事実は、自然の摂理に反しています。水が下流から上流に流れていくようなものです。そんな起こるはずのない事実のメカニズムに、私たちはまだ迫ることができていないのです」

パーカーは、歴代で最も太陽に接近することができる探査機であり、最も速度が「速い」探査機でもあります。コロナの中を時速430,000マイル(約700,000キロメートル)といった驚くべき速度で駆け抜け、ワシントンDCと東京を「1分以下」の時間で旅します。

組み立て中の「パーカー・ソーラー・プローブ」

また、コロナの温度は100万℃以上ですが、その熱がすべてそこへ向かう物体に伝わるわけではありません。コロナは非常に密度の低いプラズマであるからです。これは、私たちが高温のオーブンに手を入れても、その表面に触れない限りはヤケドしないことと同じです。

とはいえ、それだけの「超高温」にさらされること自体はやはり危険なこと。そのためパーカーには頑丈な「シールド」が施されています。カーボンから成るそのシールドの「外側」は、最接近時には溶岩よりも熱い、およそ1,400℃の熱にさらされることが予想されます。しかし一方で、精密機械を載せた「内側」は、およそ30℃に抑えられるとのこと。驚くべき温度差です。

パーカーが太陽に最初の接近をみせるのは、3ヶ月後の11月であるとされています。このミッションが「未知の領域」への挑戦であることは間違いありません。パーカーが私たちにどのようなサプライズをもたらしてくれるのか、胸が高鳴るばかりです。

 

火星に「太古の生命体」の可能性? NASAが多種の有機物を発見と発表

 

via: CBSchicago / translated & text by なかしー

 

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE