初期宇宙、実はご近所さん? 天の川銀河の衛星銀河の中に「初期宇宙由来」のものが見つかる

space 2018/08/20

Point
・暗黒物質をベースとした銀河形成のモデルを、天の川銀河の衛星銀河の観測データで検証
・モデルと観測データが一致したことから、衛星銀河の年齢を推測した結果、最も古い銀河の一つであるとわかる

ダラム大学とハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究チームが、初期に形成された銀河を複数識別しました。私たちの天の川銀河を周回している消え入りそうな衛星銀河が、宇宙の初期段階で形成された銀河グループに属するという証拠を見つけたのです。

研究者は、この発見を「非常に刺激的」と表現しており、「初期宇宙で生まれた銀河が天の川銀河を回っているという発見は、地球上で最初に生まれた人間の痕跡を見つけたことに匹敵する」と発言しています。

The Imprint of Cosmic Reionization on the Luminosity Function of Galaxies
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/aacbc4/meta

今回識別されたSegue-1、Bootes I、Tucana IIやUrsa Major Iといったものを含む銀河群は、実際は宇宙の最初期に形成された銀河の一つであり、130億歳を超えています。

宇宙が38万歳だったとき、最初の原子が形成されました。それらは水素原子であり、周期表の中で最も単純な元素です。これらの原子は雲を形成し、徐々に冷え始め、小さな塊あるいはビッグバンから生まれた暗黒物質の「ハロー」へと落ち着きました。この冷却段階は「宇宙の暗黒時代」と呼ばれており、約1億年続きました。ハロー内で冷えたガスは不安定になり恒星を形成するようになります。これらの天体はこれまでに形成された中でも最も初期の銀河となります。最初の銀河が形成されたことで、宇宙には光が溢れ、宇宙の暗黒時代は終わります。

ハーバード・スミソニアン天体物理センターのソウナック・ボース博士と共同研究者たちは、天の川銀河の衛星銀河に2つの集団があることを確認。1つ目のグループは、「宇宙の暗黒時代」に形成された非常に光の弱い銀河からなるグループです。2つ目は、もっと明るい銀河によるもので、数億年後に形成されたもののグループです。これらは、最初の星々が放射した強烈な紫外線でイオン化した水素原子がもっと大きな暗黒物質のハローに集まって冷えた後でつくられたものでした。

チームは以前組み立てた銀河形成のモデルが、データと完全に一致していることを確認することで、衛星銀河の形成時期を推測することができたというわけです。

彼らの発見は、「Λ-CDMモデル」と呼ばれる、ダークマターを形成する素粒子が宇宙の進化を促したとするモデルを支持するものです。このモデルでは、最初の銀河から放射された強烈な紫外線が、残った水素原子を破壊してイオン化することで冷えて、新しい星が形成されることを困難にします。そして銀河の形成は止まり、その後数十億年は新しい銀河が出来ません。最終的にダークマターのハローの質量が、イオン化したガスでさえ冷えるほど重くなります。それで、銀河の形成が再開され、私達の天の川銀河のような劇的に明るい銀河が生まれるのです。

つまり、初期の銀河は意外と近くにあったのです。彼らのモデルが実際のデータで検証できたのは、観測機器の改良による感度の上昇のおかげだといいます。さらなる研究で、初期宇宙の謎が解かれることを期待しましょう。

 

初期宇宙の謎が一つ解明される! 宇宙の不透明領域には、銀河の数が予想以上に少なかった

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

spaceの関連記事

RELATED ARTICLE