「バクテリア」と「紙」を利用した新バッテリーの開発に成功

technology 2018/08/20
Credit: Seokheun Choi
Point
・バクテリアを動力源とした紙で作られたバッテリーの開発に成功した
・バッテリーは、金属を印刷した紙と電気を生成する特殊なバクテリアを用いて作成された
・バイオセンサーとの相性がよく、安価で持ち運びが簡単なため、実用化が期待される

アメリカの研究チームが、バクテリアを動力源とし、紙で作られたバッテリーを開発することに成功しました。このバイオバッテリーは、バイオセンサーへの応用が期待されています。

バイオセンサーとは、酵素などの生化学物質が特定の物質とだけ反応する性質を利用して、物質の検出などを行う装置です。糖尿病患者の血液検査などで用いられており、血中のブドウ糖を検出してその数値を表示できます。

最近では、紙を利用した安価で簡単なバイオセンサー開発が進んでいます。しかし商業的なバッテリーが用いられ、高価な上に、多くの「無駄」が存在しました。また、紙の素材と合わないという大きな問題もありました。

そこで、研究者らはバイオセンサーに適した紙のバイオバッテリーを開発。紙に金属を印刷して、その上に化学物質などと一緒にフリーズドライの電子生成菌(exoelectrogen)を設置することで、バッテリーを開発することに成功しました。

バイオセンサーは血糖値自己測定器で用いられる

電子生成菌とは、自らのエネルギーを生成する際に電気を生み出す特殊なバクテリアです。これを用いることにより、LEDや計算機を動作させるだけの十分な電力を生み出すことができます。

しかしこの方法は、空気中の酸素によって電流の流れが減少して、電力が低下する恐れがあります。その影響を調べるために、研究者らは調査を行いました。その結果、電力はわずかに減少するものの、その影響は少ないことがわかりました。これは、バイオバッテリーがバッテリーとして非常に有用なものであることを示しています。

バイオバッテリーは使い切りで、有効期間は4ヶ月にも及びます。研究者らは現在、バクテリアが長期間生存できて多くの電力を生成するような環境条件について調査しています。

今回のバイオバッテリーは安価かつ持ち運びが簡単で、水や人間の唾液でも活性化させることができます。したがって、バイオセンサーと併用することにより、十分な電力の行き届かない貧困地域の医療活動や、環境汚染調査に利用されることが期待されています。

 

大活躍。今度は「油を食べるバクテリア」が登場、環境汚染を食い止めるか

 

via: EurekAlert, spectrum.ieee/ translated & text by ヨッシー

 

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