長年の謎だったマリモの「浮き沈み」、ついに解明される

science_technology 2018/08/21

Point
・マリモが浮いたり沈んだりするのは光合成と概日リズムによるものだと判明した
・光合成を止めると浮かなくなり、時間によって光を浴びた際の反応速度が異なっていたことから明らかになった
・今回の研究から、マリモの減少について保全の手助けとなることが期待される

まんまるとした形で有名な「マリモ」。北海道名物としても知られています。その愛らしい姿から、部屋に飾っている人もいるのではないでしょうか。

マリモは一日のうちに浮いたり沈んだりと、息継ぎするかのような動きをしますが、なぜこのような動きをするのかはわかっていませんでした。しかしブリストル大学の研究チームが、科学誌Current Biologyに掲載された論文で、「マリモが浮いたり沈んだりする謎の鍵は光合成にある」ことを解明したのです。

‘Photosynthesis and circadian rhythms regulate the buoyancy of marimo lake balls’ / Current Biology

マリモは植物なので、光合成をすると酸素を生成します。研究チームはマリモの周りに酸素の泡が付着している様子から、それらの泡が浮力となってマリモを浮かばせていると仮説を立てました。

仮説の検証にあたり、チームは光合成を止める化学物質をマリモに付与。すると、酸素の発生は止まると同時に、マリモが浮くことがなくなり、仮説が正しいことが示されたのです。

また研究チームは、マリモで行われる光合成が概日リズムに従っているか調査しました。概日リズムとは、約24時間周期で変動する生理現象のことで、体内時計とも呼ばれます。

実験では、マリモを赤暗い部屋で数日間放置した後に、時間帯の異なる朝や昼に光を浴びせてマリモの動きを観察しました。その結果、昼よりも朝の方がマリモの浮かび上がる速さが速いことが分かりました。これは、マリモの浮かび上がりが概日リズムに従っていることを示唆しています。

今回の研究から、マリモの浮かんだり沈んだりする現象は光合成と概日リズムによるものだということが分かりました。

マリモの研究は保全に役立つと研究者は主張しています。論文著者のドラ・カノラミレズ氏は、「不幸なことにマリモは絶滅の危機に瀕しています。これは環境汚染によって光の透過量が変化し、マリモに十分な光が届かないためだと考えられています。マリモを理解することで、保存への手助けとなるでしょう」と述べました。

 

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via: Phys.org / translated & text by ヨッシー

 

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