死ぬまでに起こる? ポールシフトには予想以上に速いスピードで発生するものがあると判明

space 2018/09/30

Point
・大きなポールシフトは頻繁には起きないが、一時的・部分的な逆転はもっと頻繁におきている
・中国の石筍中の鉄を含む鉱物を調べて、地磁気の歴史をしらべたところ、98,000年前の地磁気逆転のスピードが異常に早かったことがわかる
・逆転の最中は磁場が弱まり太陽嵐などのイベントへの抵抗性が下がるので電子機器に大損害が起きる可能性がある

デス・スターを取り囲むフォースシールドのように、地球を取り囲む磁場は、太陽から投げつけられる熱く静電荷を持った粒子から私達を守っています。このシールドは惑星の核を取り囲む溶けた鉄の回転によって自然と生み出され、何十億年も生命を支持し、地球が放射線にまみれ荷電した荒れ地となることを防いでいます。とはいえ、そのガードが降ろされることも時々あります。

数百万年に数回程度、地磁気の極は逆転します。巨大な棒磁石が地球の中にあって、その上下が逆転すると想像してみてください。すると、地球外核の鉄分子が方向を切り替え、そして磁気的なN極がS極に変わり、地球の磁気的防御を生み出している見えないエネルギーの流れがもつれて止まります。その時、シールドの低下率は最大90%にも及ぶと最近の研究で示されています。

幸運にも、完全な逆転は数千年以上掛けてゆっくり起こるもので、めったに発生しません。しかし、“PNAS”で発表された最新の研究で、極の部分的・一時的なシフトは、「人の一生」ほどの速いスピードで起こることが示されました。

この研究で研究者達の国際チームは、中国で見つかった古代の石筍内の原子で刻まれた16,000年に渡る地磁気の歴史を解析しました。石筍に刻まれた物語によると、かつて、98,000年前に地球の磁場は100年ほどのスピードで突然ひっくり返りました。この速さは一般に予測されていたよりも30倍も早く、最も速いものとして予測されていた数値よりも10倍も速いものでした。

100年以内に起きるポールシフト

オーストラリア国立大学のアンドリュー・ロバートおよび中国などの研究者たちは、地磁気の歴史の中で、未だに記述のなかった約16,000年間を調査。この歴史を紐解くために調査されたのが、中国南西部の洞窟内で育った太古の黄色石筍。およそ91,000年から107,000年昔の間に作られたものです。石筍中の鉄を含む鉱物を解析し年代を突き止めることで、その鉱物が形成された時の地球磁場の方向の時期的な変化の流れを検出できるのです。

研究チームは、その16,000年の間に、数回の磁極のシフトを発見。しかし彼らが最も驚いたのは、98,000年前の大きな磁極のシフトが200年以下の時間で起こっており、さらに100年を下回る可能性もあるということです。

磁場の逆転中は地磁気シールドの効果が10%程度まで低下します。そのため、地球が自然発生的に磁場の急変を起こすという可能性は知ってしかるべきなのです。ただし、このシールド弱体化によって地上の生命が脅かされることはありません。ロバートの指摘によると、結局の所、地球の磁場は数十億年の周期で逆転してきていますが、生命は生き延びています。しかし一つ注意すべきは、「現代文明」には重大な影響を及ぼす可能性があるということです。

ポールシフト中の太陽嵐は120兆円を越える損害

超電化した粒子のエネルギーが太陽表面から噴出し、宇宙を横切って地球と衝突するコースを飛んでくると、太陽フレアや太陽嵐のような太陽の気候現象が起こります。地球の磁場が最も強力なときであっても、強力な太陽嵐は、その防御をかいくぐって電子機器に大損害を引き起こすのです。

荷電粒子の大波を止めるには、電波を歪め、人工衛星や宇宙船の機器を焼き、あらゆる送電網をブレーカーを落とします。1989年の3月13日、にまさにそれが起き、巨大な太陽嵐が大気に押し入りカナダのケベックで9時間の停電を起こしました。1859年に起きた「キャリントン・イベント」というさらなる太陽嵐では、アメリカ中の電話線がショートし、飛び散った火花で火事が起き、事務員が感電したといいます。

ロバートによると、もし、地磁気の逆転中に太陽嵐が襲えば、上記ほどの強さでなくても、さらに甚大な被害が起きる可能性があります。その結果電子インフラへの被害額は数兆ドルにも及び、さらに対処法は今の所まったくありません。

「期待としては、このようなイベントが遠い未来のことで、それまでにひどい損害を回避する未来技術を開発できるというものです」とロバート氏は締めくくっています。…幸運を祈りましょう。

 

天変地異を起こす「ポールシフト(地磁気の逆転)」は起きそうにないと判明

 

via: Space.com/ translated & text by SENPAI

 

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