木星には「成長が遅れた」時期があった?  意外な成長メカニズムが明らかに

space 2018/08/29

Point
・木星の形成過程は今まで詳しくわかっていなかった
・木星の形成が3段階に分かれて起こったことが判明
・最初に小石が急速に集まって核を作り、次に微惑星によって熱が生み出されて成長が阻害され、最後にガスが急激に蓄積して現在の地球の300倍の大きさになった

赤道直径およそ143,000kmの木星は、太陽系で最も大きな惑星で、その質量は地球の300倍もあります。しかし木星のような巨大惑星の形成メカニズムには謎が多く、科学者の間で何十年も熱く議論されてきた話題です。今回、その謎に一歩近づく研究が発表されました。

チューリッヒ大学らの研究によると、木星の成長が200万年にも渡って遅くなる時期があったことがわかり、論文がNature Astronomyに掲載されました。どうやら成長阻害の原因は、岩の衝突によって高いエネルギーが生まれたことで、ガスの蓄積が起こりにくくなっていたことにあるようです。

The formation of Jupiter by hybrid pebble–planetesimal accretion
http://dx.doi.org/10.1038/s41550-018-0557-2

「特に興味深いのは、質量を与えた天体とエネルギーを与えた天体が同じものではなかったということです」と筆頭著者のヤン・アルバート氏は話しています。

木星がまだ赤ちゃんだった第1段階では、小さなセンチメートルサイズの小石を蓄積していき、最初の100万年で急速に惑星の核を作りました。その後200万年は、キロメートルサイズの微惑星と呼ばれる岩を蓄えてゆっくりと成長していきました。これが第2段階です。そしてこれら微惑星が成長中の惑星にぶつかることで、大きなエネルギーを熱として放出していました。つまり、第1段階では小石が質量を与え、第2段階では微惑星が少しの質量を与えると同時に、もっと重要なエネルギーを与えていたのです。

そして300万年後、木星は地球の質量の50倍にまで成長しまし。第3の形成段階では、ガスの急激な蓄積がメインとなり、今日の地球の300倍の巨大ガス惑星になりました。こうして3段階の成長過程を経て、木星は出来上がっていったのです。

太陽系は2つの部位に分かれていた

今回発表された木星誕生の新しいモデルは、昨年アメリカの学会で提示された隕石のデータと一致していました。隕石の組成が示していたのは、太陽系の原初、太陽星雲が200万年にも渡って2つの部位に分かれていたということです。これにより、木星は地球の20倍から50倍に成長するまで、ある種の障壁として働いていたという結論が導き出されました。

その期間、形成中の木星は塵の円盤を揺さぶっていたと考えられ、外の軌道を周る小石を捕えることで過度な密集を作っていました。そのため、外部からの物質は内側の物質と混ざることが出来ませんでした。それは、惑星の質量が岩を内側に揺らして拡散できる程度になるまで続きました。

それでは、どうして木星は地球の質量の20倍から50倍になるまで200万年もかかったのでしょうか。通常の成長段階を考えると、少し長過ぎるように思えます。今回の研究は、この疑問から始まったのです。

成長障害について

計算によって、若い木星が地球の質量の15倍から50倍になるまでにかかった時間が、以前考えられえていたものよりも長かったことがわかりました。この形成段階で、キロメートルサイズの岩の衝突が木星のガス状の大気を暖めるのに十分な熱を与え、冷却による凝集や、さらなるガスの蓄積を妨いだのです。

最初のステージでは小石が重要な働きをして、核が急速に形成されました。しかし、微惑星がもたらした熱が、ガスの蓄積を妨げたので、隕石のデータが示すタイムスケールにピッタリ合うようになったというわけです。研究者らはまた、今回の結果が、天王星や海王星あるいは、同等の大きさである系外惑星がどのように形成されたのかという長年の問題を解決する鍵になると述べています。

 

木星の鮮やかな「シマ模様」のナゾがついに明かされる

 

via: Science Daily/ translated & text by SENPAI

 

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