動物は仲間の死を悲しんでいるのか?

animals_plants 2018/09/02
Credit: Patrick aka Herjolf, CC BY-NC-ND

近しい人の「死」は、私たちに大きな悲しみをもたらします。その深い悲しみから、長い年月が経った後でも立ち直ることができないケースもあるほどです。しかし、果たしてそのような「悲しみ」は人間特有のものなのでしょうか? 今回は、人間以外の動物における「悲しみ」について考えてみましょう。

先日、亡くなった子どもをその背に乗せて、17日間も「亡骸」と共に泳いでいた母シャチの姿が大きな話題となりました。この行動は、母シャチの深い「悲しみ」によるものなのでしょうか?

科学者の中には、そういった動物の「仲間の死」への反応を、本当の「悲しみ」と呼べるのかについて疑問視する人もいます。しかし、生命倫理学者として20年以上も「科学」と「倫理」の相互作用を研究してきたコロラド大学のジェシカ・ピアース教授は、人間以外の動物が「死」の概念を理解し、仲間の死を「悼んでいる」可能性があることを示唆します。

人間以外の動物の「悲しみ」について理解を深めるには「サンプル数が足りない」とするピアース教授ですが、近年では様々な動物の「悲しみ」や「死」に関連する行動の報告が増えてきています。

たとえば「ゾウ」は、亡くなった仲間の「骨」に大きな関心を示すことで知られています。2016年にはアフリカで、亡くなった仲間の体に繰り返し触れたり、臭いを嗅いだりして「儀式」を行なっているかのようなゾウの群れの映像がとらえられています。

Credit: Nigel Swales

また、「チンパンジー」においても同様の行動が報告されています。あるケースでは、老いたメスのチンパンジーが亡くなった後、その群れは彼女の「生」の兆候を探したり、毛についたワラを払ってあげるような行動をみせ、さらには彼女の死後数日もの間、彼女のそばから離れようとしなかったのです。

さらに、「カササギ」は仲間の死体の上に草を置き、「埋葬」することで知られています。この行動を目撃した動物行動学者のマーク・ベコフ教授は、これを「カササギの葬式」と表現しています。

これらは、数多くある動物の「仲間の死」への反応のほんの一例。また、これらの行動が、動物たちのどのような感情によって引き起こされているのか知ることは容易ではありません。しかし、母シャチが「自分の息子の亡骸を運ぶ姿」は見ていて心が痛くなるもの。私たちは「動物は悲しむのか?」について考えるのではなく、「動物はどのようにして『悲しみ』を表現するのか?」といった点にフォーカスを当てるべきなのでしょう。

 

自由に生き、自由に死ぬー。百獣の王が迎えた孤高の自然死

 

via: theconversation / translated & text by なかしー

 

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