ニュージーランドの町が「猫」を追放!?その悲しい理由とは

animals_plants 2018/08/31
Point
・ニュージーランドの小さな町で、猫を町から排除するための政策が提案された
・ニュージーランドは島国のため、固有の野生動物は外来のほ乳類の攻撃耐性がなく、大きな被害を受けていることが考えられる
・飼い猫に対してマイクロチップ埋め込みや去勢を行うだけでなく、猫の死後に新しく猫を飼うことが禁じられ、転入者が猫を連れてくることも禁止される

ニュージーランド南島の町「オマウイ」は、希少種の鳥たちが飛び交うのどかな海辺の町です。住民はわずか35人。人々は7、8匹の猫たちと仲良く暮らしています。

しかし先日この町で、猫を町から段階的に追い出すための新たな政策が浮上しました。これは、町に生息する固有の野生動物を保護する手段を定めた「有害生物防御計画」の一環として提唱されたもの。ところが、これが一部の「猫好きの住人」の怒りを買い、彼らは「首の毛を逆立たせて」いるのだとか。

「猫の野生化を支持しているわけではありませんが、提案に賛成しない住人もいるのです」と、町に長年暮らしてきた75歳のテリー・ディーン氏は訴えます。

とはいえ、すでに町に住んでいる飼い猫が追い出されてしまうわけではありません。その猫が死んだ後に、飼い主は新しく猫を飼うことができないのです。提案が承認されれば、飼い主は半年以内に飼い猫の情報を町議会に登録し、マイクロチップの埋め込みと去勢手術を行わせる必要があります。

半年の猶予期間の後は、新しい猫を町に入れることは禁止されます。つまり、転入者は前もって猫を手放す必要があるということです。違反者は猫を町から追い出すよう指導され、従わない場合は最終手段として町議会によって猫を没収されます。

町議会で生物安全・生物多様性の事案を担当するアリ・ミード氏は、実際に猫は「ほ乳類から隔離されて進化してきた」ニュージーランドの固有種に危害を及ぼしている、と語ります。地面に巣を作り、空を飛べない鳥「キーウィ」に代表されるように、ニュージーランドの固有種は特殊かつナイーブな生活様式を持っているのです。

Credit: Glen Fergus / ニュージーランド固有種「キーウィ」

猫は夜中に密かに狩りを行うので、これら固有種の被害がどの程度まで猫のせいなのか、はっきりとは分かっていません。それでも、ニュージーランド以外の地域で行われた広範囲の調査では、猫がこれらの被害を引き起こしている可能性が示されています。

猫好きの人や、ペットを飼っている人にとってはなんとも複雑な気持ちになってしまうこの政策ですが、貴重でか弱い固有の野生動物たちを守り、次世代に残していくためには仕方がないことなのかもしれません。

 

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via: NY Times / translated & text by まりえってぃ

 

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