「音波」で印刷?!革新的プリント技術が開発される

science_technology 2018/09/09
Credit: Daniele Foresti, Jennifer A. Lewis, Harvard University.
Point
・ハーバード大学の研究チームが「音響技術」を用いた新たなプリント方法を開発
・研究では音響浮揚のように「音響場」を発生させ、適切なサイズの液滴を形成することに成功
・これは液体の粘性に依存しない方法であり、インクの種類に多様性が生まれることが期待される

ハーバード大学の研究チームが、「音響技術」を用いた新たなプリント方法を開発しました。この技術は、バイオ医薬品や化粧品、食料などへの応用が期待されています。

家庭用プリンターの多くは「インクジェット方式」と呼ばれる、インクを紙に噴射する方法でプリントを行います。噴射が行われるノズル部分には微小な穴が多数あり、そこからインクが押し出されることで、インクは「小さな液滴」となって紙に付着します。

しかし、プリンターで用いられるインクのほとんどは水よりも高い「粘性」を持っており、温度や構成要素によって変化しやすいといった特徴があります。そのため、噴射される液滴を「理想のサイズ」に変化させてプリントを行うのは非常に困難とされているのです。

そこで研究チームが着目したのは「音響技術」です。音響技術においては、「音響浮揚」で示されるように、音波によって「力」を生みだすことができます。

つまり、その「力」を用いることで、液滴の落下を操作できるということです。また、音響装置から発生させる音波には「振幅」が大きいほど液滴のサイズは小さくなるといった特徴があり、サイズの大きさも変化させることができます。つまり、この音響技術を用いることで「適切なサイズの液滴」を自由なタイミングで落下させることができるということになります。

Credit: Daniele Foresti, Jennifer A. Lewis, Harvard University

研究チームは、この技術を用いて粘性の高い「ハチミツ」や生物の「幹細胞」、「液体金属」でテストを行い、そのプリントに成功しました。

音波は液滴を通過せずに反射するため、生きた細胞など繊細なものに対しても安全に利用できます。全米科学財団の材料研究化学工学センター長であるダン・フィノテロ氏は、「今回の研究により新しいプリント技術の土台が開発されました。これは、液体の粘性など材料に依存しない方法であり、印刷業界に多様性を生み出すでしょう」と述べ、この技術の革新性について語っています。

 

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via: Harvard / translated & text by ヨッシー

 

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