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食べ物が大きく見える錯視は「空腹だと効果がない」ことがわかる

2021.01.27 Wednesday

2018.09.05 Wednesday

Credit: Daniel Cortes、Martinez-Conde、Macknik Laboratories
Point
・空腹だと人は食べ物のサイズを誤認する錯視に引っかかりにくいことが判明した
・研究者は、お皿の大きさを小さくすることで食べ物が大きく見えるデルブーフ錯視が空腹状態でも効果があるか実験
・空腹状態だと食事に関するデルブーフ錯視は軽減されることが分かった

空腹は錯視をも乗り越えるようです。

1日に医学誌“Appetite”に掲載された研究によると、イスラエルのネゲブ・ベン=グリオン大学の研究チームは、空腹の人は食べ物のサイズを誤認するデルブーフ錯視にひっかかりにくいことを発見しました。

Food deprivation reduces the susceptibility to size-contrast illusions
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29885383

デルブーフ錯視とは、大きさが等しい二つの円を並べ、一方を大きい同心円で、もう一方を小さい同心円で、それぞれの円の外側を囲んだ場合、前者の円の方が後者よりも小さく見えることです。これまで食器を小さくすると食べ物が大きく見えて、食べる量も実際に減少することができると考えられてきました。

Credit: Wikipedia / デルブーフ錯視画像。左右の黒塗りの円はどちらも同じ大きさ

研究チームは、空腹時にもデルブーフ錯視の効果はあるのか実験を行いました。実験では、大きさの異なる2つの皿に同じ大きさのピザをのせて、被験者に錯視が起こるか調査。その結果、空腹ではピザに対する錯視が軽減されることが分かりました。

また、研究チームは同様の条件で、ペンで描かれた円を用いてデルブーフ錯視実験を行いました。その状況についても、空腹による錯視の軽減はありませんでした。

これは、人は空腹状態になると食べ物に関するデルブーフ錯視に引っかかりにくいということを示しています。

研究者は、空腹時に食事に関してのみ錯視が働かなくなったのは、相対的な評価を行う処理能力よりも分析的な処理能力が働いたためと考えています。

巷ではデルブーフ錯視を利用したダイエット法があるそうですが、効果はあまり期待できないかもしれませんね。

これ全部同じ色!? 絶対に脳が騙される「ムンカー錯視」がスゴイのでつくってみた

via: Time Of Israel / translated & text by ヨッシー

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