太陽から酸素を生み出す「半人工光合成」を開発 無限の再生エネルギーへ一歩

technology 2018/09/05
Credit: Katarzyna Sokół
Point
・太陽光から水を分解する半人工光合成の新たな方法が発見された
・半人工光合成に用いられる太陽光の吸収率向上や酵素の活性化が発見につながった
・太陽光エネルギー活用の革新的なモデルへの発展が期待される

イギリスのセントジョンズ・カレッジの研究者らが、生物学的要素と人工的技術を組み合わせることで、太陽光から水を水素と酸素に分解できる「半人工光合成」を発見しました。研究は9月3日付でNature Energyに掲載されています。

Bias-free photoelectrochemical water splitting with photosystem II on a dye-sensitized photoanode wired to hydrogenase
https://www.nature.com/articles/s41560-018-0232-y

光合成は、植物が太陽光をエネルギーに変換するプロセスです。光合成によって水が分解され、水素と酸素が発生します。酸素は動植物の呼吸に用いられ、水素は再生可能エネルギーとして利用できます。そのため、人工的に光合成を行う研究が進められています。

しかし、人工光合成には触媒が必要で、その触媒は高価もしくは有毒です。そのため、新たな発見があっても実用化まで発展できていません。

今回、研究チームは酵素を用いた半人工光合成を行う方法を発見しました。半人工光合成は完全な人工ではなく、酵素など生物学的な要素が用いられる光合成のことを指します。

Credit: Andreas Wagner

今回の方法は、植物が光合成で必要とする太陽光よりも、多くの光を吸収します。実は、植物が行う光合成自体は、生存のために必要とするエネルギーしか作られないため、エネルギー生成としては効率的ではありません。したがって研究チームは、実際の植物より多くの太陽光を吸収できるようにシステムを開発したのです。

また、今回の発見には酵素ヒドロゲナーゼが用いられています。ヒドロゲナーゼは藻に存在し、水素イオンを還元させて水素にすることができる酵素です。この反応は藻の生存に必要ないので不活性でしたが、再活性化させることに成功。この再活性化によって、酸素や水素を得る水分解反応が可能になりました。

研究者らは、この半人工光合成が実用化まで進むことを期待しています。この方法が実現可能ならば、太陽光エネルギーを活用した、夢の無限エネルギーモデルに発展するかもしれません。

 

火星でも呼吸できるかも?海の細菌、宇宙環境でも光合成できることがわかる

 

via: Cambridge, Newsweek / translated & text by ヨッシー

 

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