・WHOの調査の結果、日本人の約40%が運動不足であり、様々な疾患のリスクにさらされていることが分かった
・運動不足の世界平均は28%であり、男性よりも女性の方が運動不足の傾向がある
・運動不足を解消するには、ウォーキングなどの「やさしい運動」であれば、少なくとも「週に150分間」行う必要がある
世界保健機関(WHO)の調査で、日本人のおよそ40%が運動不足であり、心臓病やガンや糖尿病、さらに認知症のリスクを抱えていることがわかりました。
調査は2016年に世界168カ国、18歳以上を対象に行われました。その結果、運動不足の世界平均は28%とされており、残念ながら日本はその数値を大きく上回ってしまっています。その要因としては「長い労働時間」「交通機関の発達」「スマートフォンの普及」などが考えられています。
最も数値が高かったのは中東の国「クウェート」であり、67%もの国民が運動不足とされました。また、ドイツでは42%、イタリアでは41%、アメリカでは40%とされ、国民の収入が高い国の運動不足の割合は、収入が低い国と比べて2倍以上といった結果になっています。
最も数値が低かった国は、どちらもアフリカの「ウガンダ」と「モザンビーク」であり、運動不足とされた国民はわずか5.5%。また、中国とロシアの数値も比較的低く、それぞれ14%、17%といった結果になっています。
また、WHOは男性よりも「女性」の運動不足が深刻であることを指摘します。男女別の運動不足の割合を世界平均でみると、男性が23%、女性が32%といった数字になっています。
WHOが推奨する運動時間は、ウォーキングなどの「やさしい運動」であれば「1週間で少なくとも150分間」、サッカーなどのスポーツを含む「激しい運動」であれば「1週間で少なくとも75分間」を目安としています。
運動不足は前述のような体の疾患だけでなく、メンタル・ヘルスにも大きな影響を与えます。WHOは各国の政府に対して、国民の運動機会の増加につながる政策を提唱していますが、いかに環境が整備されたとしても、結局は個人の意識の問題。運動の大切さを個々人でしっかり認識しておきましょう。