地球外生命体が興味をひくために「中性子星の衝突を利用」する可能性がある

space 2018/09/10
Credit: NASA’s Goddard Space Flight Center/CI Lab / 2つの中性子星が混ざりあった際のイメージ
Point
・高速で回転する中性子星の衝突は重力波によって事前に知ることができる
・科学技術の発達した地球外生命体が外部の銀河と接触したいと考えたときに、この注目の集まるイベントを利用して、信号を送る可能性がある
・重力波の発生源に向けられたあらゆる種類の望遠鏡のデータをSETIで調べることで、地球外知的生命体からの信号を識別できるかもしれない

昨年、中性子星の合体が初めて観測され、驚きに包まれた天文学界隈。しかし、もし地球外生命体からの信号が観測されたら、世界の驚きはそれどころではないでしょう。

京都大学などの研究チームによると、科学技術の発達した地球外生命体が外部の銀河と接触を考えたとき、中性子星の衝突を利用して信号を送る可能性があるようです。

The Search for Extra-Galactic Intelligence Signals Synchronized with Binary Neutron Star Mergers
http://iopscience.iop.org/article/10.3847/2041-8213/aad33d/meta

京都大学の物理学者・西野祐基氏いわく、「昨年の8月に検出された、中性子星融合に関わったマルチメッセンジャー天文学の急速な発展は、本当に驚かされました。それがきっかけで、伝統的な天文学を超えた可能性について考えるようになったのです」

そこで彼らは、地球外生命体が、衝突する中性子星が生み出す明るい光を、私たちの注意をひくために利用するケースを考案。その論文がAstrophysical Journalに発表されています。

基本的に、宇宙人は中性子連星の衝突を予測する能力を持っているはずです。そして実は私たちも、現在はその能力を持っています。多くの中性子星はパルサーであり、回転するジェットの光を生み出しています。そのため、これらの星がどこにあり、どのようにして連星系の中で相互作用しているのか追跡することが可能なのです。

次に、宇宙人たちは衝突の時期に合せて信号を生み出す必要があります。地球の科学者たちはすでに、宇宙に設置する重力波検出器を計画しており、それを使えば衝突を何年か前に検出できると考えています。それらが確認されれば、世界中すべての望遠鏡が衝突の方角に向けられます。つまり宇宙人たちは、中性子星の衝突の前、あるいは後、もしくはその両方で人工的な信号を放てば、確実に私たちの気を引くことができるのです。

今回の研究では、相当に強力な信号と、光のスピードだとしても長い時間が必要となります。計算では、1億3千万光年離れた銀河にいる宇宙人だと、この偉業を成し遂げるには、現在建造中のスクエア・キロメートル・アレイのような巨大な望遠鏡に1テラワットのパワーを注ぎ込む必要があります。

もちろんこの研究は、地球外知的生命体がいるとして、さらに私たちに信号を送りたいと思っていることを仮定しており、この推測が正しいかどうかを知る方法はありません。ですが、論文共著者である京都大学の西野祐基氏は、「外に手をのばすのは不可避。進んだ文明にまで発達する基本的な要因の1つは、情報を残したいという深い欲求であると私は思います」と話しています。

この地球外知的生命体の探索方法が魅力的なのは、現在集められている観測から判断できることです。衝突する中性子から最初の重力波が検出されたという知らせが入ると、世界中の天文学者たちは急いであらゆる種類の波長に対応する望遠鏡をこのイベントに向けます。西野氏はその際、地球外生命体が送り込む信号にも心に止めて欲しいとのこと。宇宙人探索のために宇宙で散り散りになったデータを集めてくるよりは、はるかに簡単だからです。

 

宇宙人が見つからないのは「宇宙ゴリラ効果」のせいと科学者が主張

 

via: Space.com/ translated & text by SENPAI

 

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