医者の言葉には「プラシーボ効果」があると証明される

psychology 2018/09/06
Credit: Getty Images
Point
・皮膚のかゆみを測るテストにより、専門家が「かゆみが引いていく」と語ったグループの「かゆみ」の数値が低いことが分かった
・医者にかかるという行為は「心理学的」な要素を含んでいる

医者が診察後に患者に対して話す言葉には「思い込ませる力」、すなわち「プラシーボ効果」があることが、最新の研究により明らかになりました。

Physician Assurance Reduces Patient Symptoms in US Adults: an Experimental Study

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11606-018-4627-z

「プラシーボ効果」が「偽薬効果」と呼ばれるように、過去の研究では、医者が効果のない「偽の薬」を「効きますよ」と言って患者に渡せば、実際に効果が表れる場合があることがわかっていました。

今回の研究で注目されたのは、医者の「言葉のみ」でも同じ現象が起こるのかということです。その検証のため、76人の被験者を対象としてシンプルな実験が行われました。

まず、被験者にはアレルギー反応の検査に用いられる、安全なヒスタミンによるプリックテストを実施。これにより、被験者は皮膚に「腫れ」や「発疹」や「かゆみ」を感じることとなります。

被験者は2つのグループに分かれ、その「3,9,12,15,18分後」にそれぞれ皮膚の「かゆさ」を1~100で言い表します。そして6分後に「一方のグループ」の部屋にのみ、ヘルスケアの専門家に入室してもらい、「ここからアレルギー反応は減少していき、発疹やかゆみは収まっていきます」と語ってもらいます。

すると、その3分後の「9分」の段階で、両グループの間に大きな違いが表れました。専門家の言葉を受けたグループが、その段階で自らのかゆみを「平均20.19」としたのに対し、何も言葉を受けなかったグループは「平均29」としたのです。最も差が大きかったのがその「9分」の段階でしたが、その後も専門家の言葉を受けたグループの方が、低い数値を申告していました。

「医者にかかる」といった行為は、身体的だけでなく「心理学的」な要素も含んでいます。私たちは、自分が体験している「異常」を「問題ない」と医者から言ってもらうために病院に行くことがあるのです。

医者の言葉自体が「薬」となりうることが分かった今回の実験。もちろん嘘はいけませんが、そうやって上手に「思い込ませる」ことも、医者のテクニックの一つといえるのかもしれません。

 

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via: futurity / translated & text by なかしー

 

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