ついにきた!世界初の宇宙エレベーター実験のミニチュア版を静岡大学が開始 

space 2018/09/07
Credit:Obayashi Corp
Point
・宇宙エレベーターは静止軌道上のプラットフォームから垂らしたケーブルを上下することで宇宙に出られる輸送手段
・静岡大学が軌道に宇宙エレベーターの小型モデルを打ち上げ、人工衛星間に張られたケーブルを上下させる実験を行う予定
・宇宙エレベーター実現には、強くて軽い材料の開発が不可欠

ロケットの打ち上げには高価で莫大な量の燃料が必要となり、排ガスは地球大気を汚染します。しかし地球と宇宙をつなぐエレベーターなら、この問題を解決できるのです。いま、日本の技術者がその試験を開始しようとしています。

9月11日、静岡大学の工学部は、地球軌道に宇宙エレベーターの小型モデルを地球軌道に打ち上げる予定です。このモデルは、2つの小さな10cm四方の立方体の人工衛星が10メートルの金属のケーブルで繋がれています。そしてこの箱が、この衛星間に張られたケーブルに沿って前後に動くという仕組みです。その過程は、衛星のカメラで撮影されます。

静岡大の広報は、「これは宇宙でのエレベーターの動きをテストする世界初の実験となるでしょう」と述べています。

宇宙エレベーターが初めて提唱されたのは、1895年。ロシアの科学者コンスタンチン・ツィオルコフスキーがエッフェルタワーから着想を得たといわれています。それから100年以上、技術者たちはこの実現を夢に描いて来ました。SFでは何度も登場しているものの、これまで宇宙エレベーター実施への技術的な壁は高いままでした。

まず、その自重で崩壊しないだけの軽い材料の開発が必要です。しかし、その材料はまた、エレベーターを直立させるために地球大気の上に設置されたエレベーターの平衡錘にかかる遠心力の張力に耐えるだけの強さも必要です。そのうえ、地球や太陽、月からの重力や、強風などの大気中の環境によって起こる圧力にも耐えなければなりません。

静岡大学と協力している日本の建設会社である大林組は、2050年までに宇宙エレベーターの運用を開始したいと発表しています。それには、高度35,000kmの静止軌道での宇宙ステーションや、太平洋上のテザーが含まれます。ケーブルにはカーボンナノチューブの技術が注目されています。しかし実際のところそれは可能ではありません。第一に、今の所必要とされる96,000kmのケーブルを生産する域に達していません。もしそれが達成できても、十分な強度を持ちません。技術者キース・ヘンソンによると十分な圧力がかかると、六角形のカーボンの帯は不安定になり、ストッキングの伝線のように裂けてしまいます。

しかし、日本のチームはそれでも希望を持っています。「理論的には、宇宙エレベーターは非常に成功の見込みが高いです。将来、宇宙旅行はもっと一般的になるかもしれません」

今後30年で、宇宙エレベーターの目的にかなう驚くべき材料が新たに現れる可能性はあります。もしその時が来れば、基礎実験のデータを持っていることには、計り知れない価値があるのです。

 

「別の宇宙」のブラックホールの痕跡を発見したという研究

 

via: Science Alert/ translated & text by SENPAI

 

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