モンスター級の巨大惑星が発見される。天文学者「ありえない」

science_technology 2017/11/21

この「ありえない」発見に、天文学者は驚きを隠しきれません。

理論上は存在するはずがない「モンスター級」の惑星が発見されました。その正体は、地球から遙か遠く離れた低光度の小型星を周回する巨大惑星です。

この巨大ガス惑星の存在により、長年の定説が揺らいでいます。主星の半径と質量は本来太陽の半分程度で、定説によればこの程度の小型星では周囲に木星級の巨大惑星を形成できないはずなのです。

惑星NGTS-1bの想像図

モンスター級惑星!その名はNGTS-1b

これまでは「小型星は理論上、岩石惑星を形成できても『木星級の巨大惑星を形成できる程の素材物質は結集しきれない』」というのが、王立天文学会の公式見解でした。

本来、惑星の形成は銀河での大規模爆発の残滓であるガスと塵が原始星の周囲を円盤状に渦巻き、それが凝集して天体になるものと考えられています。

今回の巨大惑星を発見したのは、チリのアタカマ砂漠に拠点を置く太陽系外惑星探査プロジェクト「次世代トランジットサーベイ」(NGTS: the Next Generation Transit Survey)です。NGTSは、そのプロジェクト名から、小型星を「NGTS-1」巨大惑星を「NGTS-1b」と呼ぶことにしました。「NGTS-1b」の「b」は、それが小型星の第1惑星であることを意味します。

探査では、ずらりと並べられた12台の望遠鏡によって夜空を丹念に調べ、星が発する光の減衰を確認します。地球から見える星の減光は、その星の前を惑星が移動していることを示すからです。

NGTS-1bを発見した次世代トランジットサーベイ。隊列12台の口径20㎝望遠鏡を構成している。今後は直径が地球の2~8倍ある海王星級以下の惑星の発見に注力する予定だ。

「NGTS-1bの発見は、我々にとって全くの驚きでした。これほど巨大な惑星がこんなに小さな星の周囲に存在するとは考えもしなかったからです」と語るのは、英ウォーリック大学のダニエル・ベイリスです。

この巨大惑星の半径は主星の約4分の1もあります。「これは、主星に対して非常に大きいと言えます。例えば、太陽系で1番大きい木星の半径は太陽の約10分の1しかありません」と、ベイリスはフランス通信社(AFP)の取材に応えています。

モンスター惑星の1年は地球の2.5日


NGTS-1b発見後、研究チームは、この巨大惑星の重力の影響が主星にどの程度の「ゆらぎ」をもたらすかを測定し、惑星の大きさ・位置・質量等の確定を目論みました。

結果、NGTS-1bの公転軌道が主星に非常に近い位置にあることを突き止められたのです。その間隔距離は地球-太陽間の僅か3%、公転周期は2.6日で、それは「NGTS-1bの1年が地球の2.5日に相当するということ」です。

そしてNGTS-1bとその主星は、地球から約600光年離れた所で、鳩座の中に位置しています。
しかし「モンスター級の巨大惑星でありながら、NGTS-1bはその主星が小さく仄暗いため、発見は難しいものでした」。こう語るのは、ベイリスの同僚ピーター・ウィートリーです。

またNGTS-1bの主星NGTS-1は、宇宙で最も多いタイプであるM型の矮星に分類されます。これは、予想外の巨大ガス惑星がさらに多く見つかる可能性があることを意味するというのが、研究チームの見解です。
「我々が今後、他にどのような面白い新惑星に出会えるか――それを知るのが楽しみです」とウィートリーは言っています。

 

日々新しい発見がある宇宙から、今後も目が離せません。

 

via: daily.co.uk, afpbb.com / tranlation by 羽鳥浩太郎  / edited by Maxim

SHARE

science_technologyの関連記事

RELATED ARTICLE