月の不思議な「渦」の起源、ついに解明する

space 2018/09/16
Credit: NASA LRO WAC science team
Point
・月表面に観測される渦の起源は、過去に存在した「地球に似た磁場」と火山活動に関係していた
・これまで月表面の渦は磁場と関係があること以外は不明であった
・渦が発生する条件は、磁場との距離が近い、月の鉱物が600℃以上、かつ無酸素状態であることと判明

望遠鏡で月を眺めると、月の表面にある不思議な渦が観測できます。その渦は白くクネクネしており、さながら蛇が這いずり回った跡のようです。

ラトガース大学とカリフォルニア大学の共同研究チームが、月の渦の起源に、月の地下で形成された磁場と過去の火山活動が関係していることを発見しました。

Lunar Swirl Morphology Constrains the Geometry, Magnetization, and Origins of Lunar Magnetic Anomalies
https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1029/2018JE005604

過去の研究から、月の渦が局地的に存在する磁場と同じ場所に存在することが何度か報告されていましたが、磁場の原因や月の渦は謎のままでした。

月のより高度の高い場所にある渦は、低高度のものよりはっきりと複雑な模様を描いています。そしてすべての渦の地下には磁場がありますが、一方渦を持たない磁場もあります。それは一体なぜなのでしょうか。

Credit: Nick Romanenko/Rutgers University

今回の研究では、コンピュータモデルを用いて渦が存在する地点を再現。その結果、月の渦がある場所には必ず地下に磁性体が存在することがわかりました。

さらに、地下にある磁性体は、火山活動による溶岩の流出で形成された長くて狭い溶岩洞である可能性が提唱されています。溶岩洞とは、火山活動に伴う溶岩の流出で生成される洞窟のことです。つまり、この磁性体が月の表面に近いところにあるときだけ、渦ができるというわけです。

また過去の実験では、無酸素環境下で600℃以上になると、月にある鉱物は鉄を放出しながら崩壊し、非常に磁力の強い磁性体になることがわかっています。

以上のことから、30億年以上前に起こった火山活動で溶岩洞や溶岩堤防が形成され、強力な磁場を形成する磁性体となった可能性が高いと研究者らは主張しています。

ラトガース大学のソニア・チコ氏は、「今回の発見は、月の渦にある磁気を理解するパズルの最後のピースでした」と述べました。

 

様々な研究がつながり合い、パズルのピースがぴったりハマった今回の研究。これを発見した研究者らの興奮を思うと、それだけで気持ちが昂ぶります。

 

かつて「月」に生命が存在したかもしれない

 

via: ScienceAlert / translated & text by ヨッシー

 

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