太陽系初期に「惑星が再編成」していた証拠が発見される

space 2018/09/18
Credit: W.M. Keck Observatory/Lynette Cook
Point
・小惑星パトロクロスとメノイティオスは連星で、木星のラグランジュ点にあるトロヤ群の1つ
・トロヤ群に二重小惑星が存在することは、惑星の動的再編成が、太陽系誕生から1億年以内に起こったことを示している
・その再編期に天王星や海王星は太陽系内側の軌道から外へと移動し、逆にカイパーベルトの小さな天体は内側に広がった

某惑星アニメでも、ちょっとミステリアスなペア的存在である天王星と海王星。現実でも、だいぶ早い時期に「ミステリアス」な存在になっていたようです。

木星から海王星までの巨大ガス惑星は、原始太陽系の塵やガスから形成されます。しかし現在の天王星や海王星は太陽から遠く離れており、その場所では塵やガスが希薄であるため、太陽系年齢以内に形成できないはずです。そこで考えられたのが、2つの惑星は太陽系の近くで形成されたものの、後から現在の遠く離れた場所に投げ出されたのではないか、という説。しかし、それがいつ起こったのかはこれまで判然としませんでした。

アメリカのサウスウェスト・リサーチ・インスティチュートの科学者たちは、木星の小惑星群に含まれる対の小惑星、パトロクロスとメノイティオスの存在が、太陽系内で惑星再編成が初期に起こった証拠であることを発見しました。研究は“Nature Astronomy”で発表されています。

Evidence for very early migration of the Solar System planets from the Patroclus–Menoetius binary Jupiter Trojan
https://www.nature.com/articles/s41550-018-0564-3

小惑星パトロクロスとメノイティオスは、木星のトロヤ群を調査するプロジェクトであるNASAの「ルーシーミッション」の対象となっている天体です。大きさは100kmを超え、お互いを回りながら太陽軌道を一緒に周っています。木星のトロヤ群と呼ばれる小惑星群の中で、唯一つの大きな二重小惑星となります。木星のトロヤ群は2つあり、木星軌道上のラグランジュ点と呼ばれる、太陽との距離と木星の距離が等しくなる前後の2点に固まって、木星と同じ軌道を周っています。

Credit: Durda/Marchi/SwRI / 小惑星パトロクロスとメノイティオスが軌道を周回する様子

現在、海王星の軌道内で生き残っている二重小惑星はわずかです。しかし今日のカイパーベルトの観察によって、かつて普通に二重小惑星が存在していたことがわかっています。

今回の研究では、パトロクロスとメノイティオスの二重小惑星が存在そのものが、太陽系の誕生後1億年内に「巨大惑星間で動的かつ不安定な時期」があったことの証拠であることが示されました。

論文によると、この太陽系の再編期に天王星と海王星が内側の軌道から外縁部へと移り、現在のカイパーベルトのもとになった多数の小さな天体と合流。そしてそれら天体が内側へと散らばり、重力場と遠心力が釣り合ったラグランジュポイントに捕らわれ、トロヤ群の小惑星になったと考えられています。

また、逆にもし何億年も不安定な軌道が続いていたとすれば、原始の小天体円盤内部の衝突によって連星系は解消され、トロヤ群にとらわれるような二重小惑星は残っていなかったでしょう。動的で不安定な時期が早めに起こったことで、もっと多くの二重小惑星が残り、トロヤ群に少なくとも1つ、二重小惑星がとらわれる可能性が高くなったというわけです。

 

via: Phys Org/ translated & text by SENPAI

 

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