火星で長期的に住める「家」が発表される。自給自足も可能

space 2018/09/16
Credit: Claudio Leonardi/EPFL / 火星基地の計画図
Point
・長期間の居住を可能とする火星基地の計画が発表された
・基地は居住空間を含む3つのユニットで構成され、さらに火星軌道上に地球からの物資を輸送するシステムも考案されている
・約9ヶ月間の滞在が可能で、火星の天然資源が利用可能なら延長もできる

「カセイノススメ」…?

スイス連邦工科大学(EPFL)の研究者らが、火星で長期間の探査ミッションをサポートする、自給自足可能な居住基地を設計しました。

居住基地は3つのユニットからなり、それぞれ中央本部とカプセル、ドームです。中央本部は高さ12.5メートル、直径5メートルであり、最小限の生活空間と物資置き場の役割を持っています。

カプセルは全部で3つ。中心本部の周囲に設置し、基地と外部をつなぐエアロックとして機能します。

ドームを構成するのは、非常に軽くて丈夫なポリエチレンファイバーと、厚み3メートルの氷の壁。このドームは基地全体をカバーして乗組員を放射線や流星塵から守り、基地内の気圧を一定に保つ役割があります。

ただし、この基地の建設には2段階の工程が必要です。はじめに、ロボットが火星表面に降り立って基地の基盤をつくります。その時、天然資源の調査も行います。その調査が終了した後に、乗組員たちが火星に着陸します。この段階を踏むことで、乗組員が可能な限り安全にミッションを遂行するための荷物を最小限にできるのです。

また、研究チームは居住基地の他に、火星軌道上にクレーンシステムを作る計画も立てています。クレーンシステムは、地球から送られるスペースシャトルと火星の基地をつなぐ輸送地点として機能し、輸送荷物を火星表面の基地まで降ろすことができます。

Credit: Ecole Polytechnique Federale de Lausanne / 火星軌道のクレーンシステムの様子

さらに研究チームは、基地の設計に加え、火星調査の長期的な計画を進めています。

火星には、北極や南極など両極地方で極冠と呼ばれる白色の部分があります。そこには氷雪が存在するといわれており、生命やその痕跡が発見される可能性が高いと言われている場所です。そのため研究者は、居住基地の設置場所は極地方が最も合理的と考えています。乗組員が利用できる天然資源が存在する可能性があり、長期の居住に適しているからです。

研究チームは、火星へ向かう人数や時期などの詳細な情報も計画に加えています。乗組員は6人で、火星の北極地点が夏に相当する時期に到着する予定です。滞在期間は、白夜のように日が沈まない228日間としています。

さらに、火星の天然資源を最大限利用すれば滞在日数を延ばすことも不可能ではありません。極地点に氷雪が存在すれば、理論的には水や酸素、窒素が生成できます。また、火星空気中の化学物質やシリコンや鉄などからなる土壌の利用も考えられます。それらはレンガやガラス、プラスチック、さらには水素やメタノールなど燃料に変換できる可能性があります。ただ、食料や電池などの物資は、地球からの輸送に頼らなければいけませんが…。

マーリン氏は、「私たちはシステムを試すために初期ミッションを実施する必要があります。初期ミッションの計画が綿密に練り上げられれば、それだけ火星探査計画を前進させるでしょう」と語っています。

 

ぱっと見テントな火星ドームですが、未来の秘密基地感があってワクワクしますね。果たして人類が火星で暮らす日は来るのでしょうか。

 

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via: DailyMail, Phys.org / translated & text by ヨッシー

 

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