どっちが本物?AIが映像で表情をコピーすることに成功

artificial-ntelligence 2018/09/13
Credit: Carnegie Mellon University
Point
・ビデオ上の人物の表情の動きをAIを使って別の人物の表情へとコピーする技術が開発される
・映画の吹き替えでリップシンクが簡単になるなど、映像制作で様々な応用が考えられる
・悪用されて、フェイクビデオが作られ混乱を巻き起こす可能性

もはや真実が迷子。

カーネギーメロン大学の科学者らは、Recycle-GANと呼ばれる新しいタイプのAIを生み出すことに成功しました。ある人物の表情の動きを、他の人の表情としてコピーする、危険な「ディープフェイク」ビデオ」です。このAIは、ビデオクリップ中の人物の口の動きなどの部位を正確に読み取り、他の人の画像に当てはめて、まるで生きているかのようなビデオクリップを生み出すことができます。

例えば下の映像は、英国のコメディアン、ジョン・オリバー氏の口の動きを、アメリカのトークショーの司会者スティーブン・コルベア氏にコピーしたもの。別人の顔をそっくり乗っ取ることができるというわけです。どちらが本物かわかりますか?

よく見るとすぐにわかりますが、左が本物、右がAIによるコピー映像です。

研究者たちはこの技術が、政治家や力を持った人物の口から誤った言葉が発せられる映像など、フェイクニュースのビデオクリップで使われる可能性があると警鐘を鳴らしています。

Recycle-GANは、GANと呼ばれるAIアルゴリズムを元にしており、敵対的生成ネットーワークという仕組みを利用しています。2つのAIを競わせるGANsは、一つは新たなビデオを生み出し、2つ目はそれを解析して質によって格付けし、元のボットへとその結果を返します。そして数千回以上の試行を繰り返すことによって、対のAIは、与えられた作業を上手くこなせるようになるのです。今回の研究では、そこにさらなるステップが組み込まれているとのこと。

この技術は将来的には、多言語への吹き替えや白黒映画のカラー版へと変えたりする仕事を生み出すことで、映画製作者に利用されるようになるかもしれません。

しかし研究者らは、表情交換AIが悪用された場合に、不幸な結果をもたらす可能性にも気づいています。

Photo credit: davidstewartgets on Visual Hunt / CC BY

GANが有名人のフェイク映像を作るのに使用されたのは、これが初めてではありません。以前ネット上で、オバマ前大統領がトランプ大統領を「まったくもって完全な能無し」と呼んだフェイク映像が拡散されたことがあります。

ただ今回のフェイク映像をよく見ると、眉毛が異様に上がっていたり、頬が緊張していたりと、まだ不自然な部分が多々あります。しかし、AIの成長速度を考えると、いつ本物と見分けられないものが出てこないとも限りません。本物と偽物の見分けが簡単に付くような技術や規制を整備することが求められます。

 

世界初のサイコパスAI「ノーマン」が怖すぎると話題に

 

via: Daily Mail/ translated & text by SENPAI

 

SHARE

TAG

artificial-ntelligenceの関連記事

RELATED ARTICLE