信頼できるのは「罪悪感が強い」人? 信用すべき人物を心理学者が研究

psychology 2018/10/09
Credit: CC0 Creative Commons
Point
・「罪悪感傾向」が高い人は信頼性も高いことがわかる
・「罪悪感傾向」とは犯罪を犯す前に罪悪感を予期することで、犯罪を犯さなくする特性
・研究は「信頼ゲーム」と個人の特性を調べるアンケート調査で行われた

職場で誰を信じれば良いのか悩んでいませんか?

信頼を生み出す行動については多くの研究がある一方で、どういった人が信頼に値するか、うまく導き出した研究は殆どありません。“Journal of Personality and Social Psychology”に掲載された新しい論文で、罪悪感を予期する傾向である「罪悪感傾向」が、信頼性を測る強力な指標になることが示されています。

シカゴ大学、ペンシルバニア大学、カーネギーメロン大学のビジネススクールの研究者たちは、組織内における信頼性の高い行動や意思の予測を得ようとしました。経済的なゲームを準備し、外向性、寛容さ、同調性、神経症、誠実さと罪悪感傾向をアンケート調査で測りました。

ゲームの一つは海外で「信頼ゲーム」として知られるものです。参加者はまず、パートナーからお金を受け取ります。その後、お金の価値が2倍になったと知らされます。参加者は稼ぎの半分をパートナーに返すことが期待されていますが、全て自分のものにする選択もできます。他のゲームでは、パートナーが決断の目安とする情報に関して、参加者は嘘を付くことも真実を伝えることもできます。参加者は嘘を付くことで得するようになっていますが、もちろん偽の情報を元に決断するパートナーを傷つける嘘は信頼性を損ねます。

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いずれのゲームにおいても、アンケート調査で調べられた「罪悪感傾向」によって、他のどの指標よりも高い精度で、信頼性を予測できるという証拠を得ました。「罪悪感傾向の高い人たちは、他人に対して責任をより感じるために、罪悪感傾向が信頼性の予測に使えるのだと推測しています」とシカゴ大学の准教授エマ・レビン氏は述べています。

罪悪感傾向は、「罪悪感」とは別物です。罪悪感は、明確で消極的な自意識的感情で、過ちを犯したことへの反応として呼び起こされます。人々が罪悪感を感じるのは、犯罪を犯した結果としてです。この感情によって、補償行動が引き起こされます。一方で、罪悪感傾向では、過ちに伴う罪悪感を予期するので、最初から過ちを犯さないように行動するのです。

罪悪感はその人が何か悪いことをした証拠と一般的に考えられているので、欠点的特性だと見られがちです。しかし、過ちに対して罪悪感を感じるのは良いことです。逆に悪いことをしたのに罪悪感を感じないのは問題で、後悔もせず犯した罪を修復する意図もないということです。

では、どうすればこの研究を仕事に生かせるのでしょう。レビン氏は最後の研究で、組織への影響を調査しています。研究で参加者たちは、責任感を持って行動するように定めた行動規約へのサインあるいは、研究に参加するほとんどの人が自分勝手であると思わせる文書を読みました。「言い換えると、参加者に個人どうしの責任感あるいは身勝手さを植え付けたのです。規約にサインした参加者たちは信頼ゲームにおいて、より信頼性が高くなる傾向にあることを発見しました。この結果は、従業員に責任感の重要性を気づかせ、規約を目立たせることが、信頼感のある雰囲気を生み出す助けとなる可能性を示しています」

 

罪悪感を予期することはあまり気持ちの良いものではありませんが、罪悪感傾向のある労働者は、この特性が仕事上の過ちを防止してくれるかもしれません。

 

罪悪感無しで「ノー」と言うための7の方法

 

via: Quartz at Work/ translated & text by SENPAI

 

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