昔の「バイブ」は「女性ヒステリーを治す医療用器具」だったって本当?大人のオモチャにまつわる歴史論争

history_archeology 2018/09/17
Credit: iStock
Point
・バイブレーターは、女性のヒステリー治療の救世主として誕生したとする仮説がある
・研究により、その仮説に根拠が無いことが判明
・本や研究における「事実」のチェックは意外とずさんであるため注意が必要

19年間も「デマ」が温存されていました。

海外やネット上で、こんな噂があります。わずか100年前のイギリス、ヴィクトリア朝の時代では、医者が女性にオーガズムを感じさせてあげることは、通常の医療行為だったというのです。

そして、その経緯も中々リアル。もともと「医者の手」によって行われていたその「治療」は、患者数の増加に伴い、より効率的な手段が考案されるようになりました。そこで誕生したと噂されているのが「バイブレーター」だとのこと。

まことしやかに語られていたこの「バイブレーター誕生秘話」ですが、新たな研究が、そこには何ら「証拠」が無いことを示しています。さらには、ヒステリーの治療としてオーガズムを用いていたことも疑わしいと言うのです。

「バイブレーターの歴史」について最初に語られたのは、歴史家レイチェル・メインズ氏が1999年に著した “Technology of Orgasm” においてです。そこでは、西洋医療において「オーガズム」が必須のものであり、「バイブレーター」の登場が、より多くのヒステリー患者を救うきっかけとなったといった仮説が語られています。

しかし研究者らの調査の結果、メインズ氏がその本で引用している論拠の多くは、バイブレーター自体に言及していないものがほとんどだったことが判明。中には言及しているものもありましたが、「性器」に使用したという記述は一切なく、医者が「腸・腎臓・肺」などに使用しているという記述があったとのこと。それはそれでどうやって使うのか興味深いところです。

しかし著書に対して、今日に至るまでの「19年間」何ら正式な指摘がされていなかったのは驚くべきことです。さらに面白いのは、著者であるメインズ氏自身も、誰も今まで批判してこなかったことに驚いているのだとか。彼女自身も「証拠の不存在」について自覚があったということになります。

研究では、メインズ氏の「書き方」に問題があることも指摘しています。本の中の彼女の表現は断定的であり、それを「個人の見解」と解釈するのは難しいというのです。

研究者は、「この本の『成功』は、研究機関がいかに適当な事実確認を行なっているのかを示すものです。特にその仮説が『本当』であれば面白いと考えるときにはその傾向が強いようです」と語り、本や研究をそのまま信用することの危険性について述べています。

 

もし動物と性行為をしたらどうなるの?

 

via: sciencealert / translated & text by なかしー

 

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