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「化粧品」の化学物質に不妊などを招く恐れ 女性143人の尿からパラベンを検出 

2021.01.27 Wednesday

2018.09.17 Monday

Point
・化粧品に含まれる化学物質が健康に悪影響を及ぼすことが判明した
・健康な女性を対象に尿・血液検査を行って化学物質やホルモンレベルを調査
・フェノール類などの化学物質に女性ホルモンの乱れを誘発する恐れが発見された

化粧品は美しさと引き換えに、あなたの健康を蝕んでいるかもしれません。

ジョージ・メイソン大学の研究チームは、化粧品に配合される化学物質が女性ホルモンを乱す危険性があることを発見しました。

Exposure to bisphenol A, chlorophenols, benzophenones, and parabens in relation to reproductive hormones in healthy women: A chemical mixture approach
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160412018307128?via%3Dihub

女性ホルモンのうち妊娠や出産に関わる働きをコントロールしているのは、主に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つです。

2つのホルモンのバランスは非常に重要で、これが崩れると体調にも悪影響を及ぼします。例えば、卵胞ホルモンが過剰放出すると子宮筋腫多嚢胞性卵巣症候群などの病気を引き起こしてしまいます。また、過剰な黄体ホルモンは乳がんや膣からの異常出血を誘発する恐れがあります。

過去の研究では、防腐剤として化粧品やスキンケアに含まれるパラベンに過剰な卵胞ホルモンと同様の危険性があることが知られています。また、香料を持続させる効果のあるビスフェノールA(BPA)は不妊を招く恐れがあると報告されています。パラベンやビスフェノールAは、日本や世界各国で配合量が規制されています。

研究チームは、18歳から43歳の健康な女性143人に尿検査を実施。検査では、化学物質のパラベンやビスフェノールA、ベンゾフェノンが測定されました。ベンゾフェノンは日焼け止め成分としてよく用いられている成分です。

また、性ホルモンに関わる卵胞ホルモンや黄体ホルモン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)を調査するために血液採取も行いました。FSHは卵子の成長を促し、LHは性ホルモンの産出を刺激します。

調査の結果、全ての化学物質は黄体ホルモンの増加と関連があり、低レベルの暴露でさえ影響する可能性があることがわかりました。また、フェノール類やベンゾフェノンは卵胞ホルモンやFSH、LHの減少と関連していることも判明。FSHの減少は卵子の生産停止、LHの減少は多嚢胞性卵巣症候群をもたらす危険性があります。

研究チームのアンナ・ポーラック氏は、「この研究から分かることは、私たちは美容品の成分にもっと注意を払うべきだということです。さらなる研究で今回の発見が確証されれば、化粧品の化学物質が乳がんなどのエストロゲン依存性の病気に影響していると言えるでしょう」と述べました。

パラベンの中には、EUでは使用が禁止されている一方、日本では使われているものもあります。しかし日常生活を送る上で、リスクをゼロにするのは不可能。商品の規制や改良には、私たち一人ひとりが知識を仕入れ、商品の成分表を吟味してから買うことが必要です。

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via: GeorgeMasonDailyMail / translated & text by ヨッシー

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