抗酸化物質、実はサプリで摂取すると有害とわかる

science_technology 2018/01/11

抗酸化物質という言葉はよく耳にするかと思います。特に近年ではアンチエンジングというワードを所々で見かけますが、このアンチエイジングには、活性酸素を抑える抗酸化作用が不可欠なのです。

身近なところだと、スーパーフードやスキンケア、チョコレートやワインにさえ入っています。抗酸化物質を含む製品は健康に必須なものとして売られていて、病気に対抗したり老化を防いだりといったことを約束します。

でも、本当に私たちが信じ込まされているように健康に良い物なのでしょうか?

抗酸化物質って何?

抗酸化物質という用語は、酸化と言われる化学反応から他の分子を守ることのできる分子のことを幅広く指しています。酸化はDNAやタンパク質を含む細胞内の重要な分子にダメージを及ぼすことがあります。DNAやタンパク質は多くの生体機能をになっているのでこれは大変です。

DNAのような分子は細胞が適切に働くのに必要で、多くのダメージがここに蓄積すると、細胞は機能不全をおこしたり死んだりします。だから、抗酸化物質は重要なのです。抗酸化物質はこのダメージを防いだり減らしたりできます。体内では、調節が及んでいない酸化は、フリーラジカルとして知られる非常に活性化した分子によって引き起こされます。

Vaalia Yoghurt Berry Splash plus antioxidants - Goji berry Acai, grapeseen green tea extract
抗酸化物質を含有する製品は健康に必須であるとして販売されています。

酸化って何?

酸化とは、電子がある分子から他の分子に移動する一般的な化学反応のことです。電子は亜原子(原子よりも小さい)の一つで、これは様々なことをやっています。電子が酸化反応で移動すると、分子の結びつきが壊れることがあり、分子の構造が変わります。

非結合電子はフリーラジカルを不安定にし、反応性が高い。

すべての酸化作用が悪いわけではありません。生命にとって必須であり、多くの重要な生命活動に関わっています。細胞呼吸では、グルコース(食べ物から摂取された糖)が酸素(呼吸で空気から取り込まれる)によって酸化されます。そして、二酸化炭素と水そして私たちの体内で使われるエネルギーを生み出します。家庭内で使われる漂白剤は、色を持った染みを色のない分子へと酸化します。

あまり望まれない酸化反応としては、金属のサビや食物の参加による腐敗があります。

フリーラジカルって何?

フリーラジカルは、ひとつ、あるいは複数のペアになっていない電子をもった分子のことです。電子はペアを作って安定する傾向があります。なので、ペアになっていない電子をもっていると、不安定で非常に活性の高い物質になります。安定するためには、フリーラジカルは他の分子から電子を奪ったり押し付けたりする必要があります。電子を失った分子は酸化され、フリーラジカルになってしまいます。

この新しく出来たフリーラジカルも他の分子から電子を奪うというふうに反応は連鎖します。この変化は恒久的な分子の構造の変化をもたらし、結果、もとに戻らないダメージとなるのです。

フリーラジカルは他の分子から電子を奪うことができ、フリーラジカルとなる。

しかし、もし抗酸化物質がそこにあった場合、フリーラジカルに電子を提供して安定化させ、この連鎖反応を止めます。しかし、多くの分子と違って、抗酸化物質はペアになっていない分子を安定化させる能力がある上、それ自身は活性化しません。この過程は逆に抗酸化物質の活性を抑えるのです。

フリーラジカルがいつも害をおよぼすとは限りません。その高い活性能力と攻撃的な性質は、身体の免疫システムで役に立っています。「食細胞」と呼ばれる白血球は、細菌のような外来の粒子を飲み込む能力があります。内側に閉じ込めた後にフリーラジカルを放出して破壊するのです。

酸化防止剤は電子をフリーラジカルに供与し、連鎖反応を停止させる。

フリーラジカルは体内で自然に発生していますが、ストレスや乏しい食事、汚染、喫煙、お酒といった生活因子によっても増加します。身体はある程度のフリーラジカルなら対処する能力があります。しかし、それが多すぎると、普通の防御能力を越えてしまうのです。

フリーラジカルのダメージは老化や様々な病気の要因の一つであると考えられています。例えば、DNAへのフリーラジカルダメージは遺伝子変異の原因となり癌の誘引となります。

すべての抗酸化物質が同じというわけではない

さて、フリーラジカルが危険で老化や病気の原因となり、抗酸化物質がそれを中性化するとして、多くの抗酸化物質を取ることは健康に良いということになるのでしょうか?

残念ながら、ことはそう単純ではなさそうです。もちろん、抗酸化レベルが高く、酸化ストレスが低いことは、健康である条件です。しかし、すべての抗酸化物質が等しいわけではないのです。

supermarket

抗酸化物質には多くの源があります。ある物は体の中で自然に作られ、ある物は私たちが食べたものから自然に得られます。抗酸化剤(自然由来であれ合成品であれ)が食品に添加されることがあります。

その目的はおそらく栄養価を上げることであり、食品を長持ちさせる(抗酸化物質は食品の酸化も抑えます)ことです。

健康的な食事は必要な抗酸化物質を取り入れる方法として最も効率的です。

果物、野菜、穀物、卵、そしてナッツ類はいずれも有用な抗酸化物質源です。誇大広告にもかかわらず、いわゆるスーパーフードに含まれる抗酸化物質は、普通の果物や野菜などと比べて効率的とは言えません。なので、お金を必要以上に浪費することはないでしょう。

抗酸化物質サプリメントはむしろ有害

しかし、抗酸化物質のサプリメントとなると話は別です。研究によると、サプリメントは利益ではなく害を及ぼすかもしれないことがわかりました。

2012年に行われた70以上の試験を束ねたメタ解析では、抗酸化物質サプリメントは効果的でないばかりか、害をおよぼすことが示されました。理由は不明です。
しかし、健康的な食事から取り入れられた抗酸化物質のおよぼすものこそが本当の利益をもたらすようです。

そして、サプリメントを使うことによって得られた高い濃度の抗酸化物質は、問題を引き起こす可能性があります。

Nuts

過ぎたるは及ばざるが如し

なぜ、高い濃度の抗酸化物質が有害なのかについては多くの理由があるでしょう。

例えば、

・酸化促進剤として働くことで、酸化を増やしている。
・危険な細胞(がん細胞のような)を健康な細胞と一緒に守っている。
・運動の良い影響を減らしている。
・いらない副作用がある。例えば、吐き気や頭痛、あるいは毒性レベルが高くなるなど。

魔法の薬はありません。

しかし、健康な食事はあなたに必要な抗酸化物質のすべてをもたらし、フリーラジカルと戦えるようにするのです。

 

via: theconversation / translated & text by nazology staff

 

SHARE

science_technologyの関連記事

RELATED ARTICLE