否定されたと思われた余剰次元、「小さなスケールではあり得る」

space 2018/10/03
Photo credit: quinet on VisualHunt.com / CC BY
Point
・中性子星から来た重力波と電磁波の比較から、余剰次元を仮定する重力仮説が否定される
・しかし、それは大きなスケールにおける余剰次元を否定するものである
・超弦理論などで仮定されている原子内レベルでの余剰次元が否定されたわけではない

まだ希望はありました。

以前、中性子星の重力波の観測で余剰次元が否定されたという記事を公開しましたが、それは大きなスケール限定の話かもしれません。超ひも理論で仮定されるような「原子内レベル」における余剰次元は否定されていないことが、海外メディアSpace.comで報じられています。

「余剰次元の存在」が重力波の観測から否定される

重力波は、ブラックホールや中性子星など大質量を持つ天体が連星となり、光速で運動する場合に発生します。しかし天体である中性子星はブラックホールとは違って電磁波も発しているため、通常の望遠鏡によっても観測出来ます。そして電磁波による観測と重力波による観測を比較することで、重力波に余分な減衰が起きていないかを調べることができるのです。

中性子星の衝突イベントGW170817でこの比較を行った所、この減衰は見られないことがわかりました。この調査結果から、宇宙の膨張スピードを説明するために、相対性理論に余剰次元を加味して作られた重力仮説が否定されたことになりました。これらの説では、余剰次元に重力波が漏れ出し減衰することが予測されていたからです。

ただ、これらの仮説が否定されたのは大きなスケールにおける余剰次元においてであり、さらに距離も1.6kmから8000万光年に限定されています。超弦理論などで仮定されている、原子レベルでの余剰次元について否定するものではありません。

また、研究者たちは今回のデータを使って、仮説上の重力を媒介する量子であるグラビトン(重力子)の寿命を計算しています。計算の結果、その寿命は少なくとも4億5000万年でした。GW170817イベントは、宇宙の規模から考えると、とても近い場所で起こったものです。したがって、物理学者たちはもっと遠くで起こった重力波を研究して、重力やダークエネルギーが時間が経つと変化するのかどうかの調査を希望しています。

 

今の所、宇宙は私たちが慣れ親しんだ次元しか持ち合わせていないようです。しかし、がっかりすることはありません。小さな次元は、まだ存在する可能性があります。

 

この世界は本当は「何次元」なのか?

 

via: Space.com/ translated & text by SENPAI

 

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