バクテリアを動力源としたマイクロモーターが開発される

technology 2018/10/06

Point
・バクテリア(大腸菌)の「鞭毛」を利用したマイクロモーターが開発される
・モーターの速度は「光の強さ」によって調整が可能
・将来的には薬の運搬など「医療分野」における活躍が期待される

医療の世界で活躍が期待される、バクテリアを動力源としたマイクロモーターが開発されました。

Light controlled 3D micromotors powered by bacteria
https://www.nature.com/articles/ncomms15974

数千もの自由に泳ぎ回るバクテリア(大腸菌)が含まれた一滴の液体を、ずらりと並んだマイクロモーターの中に落とすと、数分後にはモーターが回転を始めます。

いくつかのバクテリアが、それぞれのマイクロモーターの外側にある「15の部屋」に入り込み、そこからはみ出た「鞭毛」が、泳いでいるバクテリアと相互作用を起こすことによりモーターが回転するのです。ちょうど流れる水が「水車」を回す仕組みと同じようなものです。

ローマ・ラ・サピエンツァ大学の物理学者、ロベルト・ディ・レオナルド教授が率いたこの研究。これにより、個別にコントロールされた大量のローターを作り出すことが可能になります。そしてその動力源は「光」。将来的にはマイクロロボット内の「安価」で「使い捨て可能」な動力源として活躍することが期待されています。

マイクロモーターにおける15の部屋は、バクテリアの運動を最大限「回転力」へと変換させるために、45度の角度で設計。また、バクテリアがその部屋に導かれるための「スロープ」もデザインされています。実験では、モーターが捕まえたバクテリアの数が多いほど回転速度も増加していくことが確認され、その速度は、容易に「1分間につき20回転」するスピードにまで達しました。

しかし、バクテリアを動力源とするマイクロモーターとして要求されるのは「速度」だけではありません。その動きをしっかりと「制御」することもまた必要となります。そのため研究者たちはバクテリアを遺伝子操作。その結果、照射する「光の強さ」を変えることで、モーターのスピードをコントロールすることが可能となりました。

これを実用化させるためには、すべてのモーターが急な変動を起こすことなく、規則的なスピードで回転することも必要です。実験では、各モーターのスピード幅はとても小さく、光の強さによるコントロールが成功していることがうかがえます。

これが実用化されれば、薬の運搬など「医療分野」において大きな役割を果たすことが考えられます。研究者たちはその日に向けて、現在もこのマイクロモーターの研究を続けています。

 

「バクテリア」と「紙」を利用した新バッテリーの開発に成功

 

via: phys.org / translated & text by なかしー

 

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