実際に科学者が飲んでいるサプリメント5選

science_technology 2018/01/29

サプリメントは薬と違って、その効果を証明する必要はありません。ただその安全性を証明できればいいので、世の中には多種多様なサプリメントが流通しています。

それでは、一体どのサプリメントが注目に値し、実際にお金をかける価値があるのでしょうか?

公衆衛生から運動生理学の専門家まで、6人の科学者に、実際に毎日飲んでいるサプリを上げてもらい、なぜそれを飲んでるのか聞いてみました。

 

ウコン

■バンガー大学の公衆衛生とプライマリーケアの講師、シモン・ビショップさんより

ウコンは南アジアの料理の材料として馴染み深いものです。体を温め、カレー料理に香り付けします。しかし近年、その潜在的な健康への有用性も注目されてきています。

私は約2年間ウコンの根を砕いたものを食事のサプリメントとしてとっています。アーユールヴェーダ医療において長い間利用されていたことに注目しているんです。

ウコンはアジアの広い地域で炎症を抑え、傷の治りをうながす伝統的な治療法として使われています。

現在、続々登場する証拠が、ウコンの成分であるクルクミンが幅広い病気から身を守るのに役立つ可能性が示されています。病気の例として、慢性関節リウマチ、心血管疾患、痴呆やガンがあります。

健康にいいとされるこれらの主張を裏付ける証拠は決定的ではありませんが、少し長生きできる可能性があることは、毎朝最初のコーヒーに一杯のウコンを入れて取り続けるだけの十分な魅力があります。

ウコンは関節炎や心臓病、ある種のガンから身をまもってくれるかもしれません。

 

ビタミンD

■リバプールジョンムーア大学の人間生理学教授、グリーム・クロースさんより

ビタミンDは太陽光の力を借りて、体内で合成される特別なビタミンです。なので、寒い国に住む人や、多くの時間を室内で過ごす人では欠乏症の危険性があります。

皮膚の色調が暗い人もまた、ビタミンD欠乏症の危険があります。というのも、皮膚の色素メラニンはビタミンDの生産速度を遅くするからです。約10億の人がこのビタミンの欠乏症にかかっていると言います。

十分なビタミンDが健康な骨の維持に必要であることは多くの人が気付いていますが、科学者達はビタミンDの持つ他の重要な役割にますます気付くようになってきています。

今では、ビタミンD欠乏症の結果、免疫機能の効率は落ち、筋肉の機能や代謝は衰え、抑うつにさえなると信じられています。ビタミンDは最も安いサプリメントの1つで、欠乏症を治すのはとても簡単です。

私はかつて、自分自身で欠乏症のテストをしていました。でも今は、10月から4月の間太陽光が不足するイギリスに住んでいることもあり、50マイクログラム量のサプリメントを冬の間は毎日とっています。

わたしは、エリート競技者にも同じようにするようにと栄養指導を行っています。

以前ナゾロジーでは、ビタミンDとカルシウムのサプリは効果がないという研究を紹介しました。その研究結果が今後、科学者の中でどう評価されていくのかは興味深いところです。

 

プロバイオティックス

■アングリアラスキン大学のスポーツ栄養学上級講師、ジャスティン・ロバーツさんより

様々な善玉腸内細菌をもっていることは身体的そして心理的な健康において重要です。

しかし、腸内細菌のバランスは、貧相な食事、運動不足や絶え間ないストレスによって崩れることがあります。腸内の健康を維持する一つの方法は、食べられるプロバイオティクス(生きた細菌や酵母)を、ヨーグルトやケフィア、紅茶キノコから摂取することです。

わたしが最初にプロバイオティクスに出会ったのは、トライアスロンのトレーニングを初めて数年経ってからです。当時、トレーニングやレースの後に、吐き気や胃痙攣といった消化器の症状をよく経験していました。そして風邪にもかかりやすかったのです。

この分野を調べた後、私はなんと多くの人が、運動の後似たような消化器の問題を経験しているのかを知り驚きました。今ではプロバイオティクスを定期的に取ることで、トレーニングの後の症状を緩和し、総合的な健康に役立つことがわかっています。

私たちの最近の研究では、初心者のトライアスリートが12週間の練習の間、夕食と一緒にプロバイオティクスをとることで、その消化器の問題を緩和できることが分かりました。

ほかにも、プロバイオティクスを使うことが総合的な健康に役立つことを支持するたくさんの研究があります。例えば、腸内の健康を改善したり、免疫反応を強化したり、血漿内のコレステロールを減らしたりといったことです。

 

プレバイオティクス

■ノッティンガムトレント大学の運動生理栄養学の講師、ニール・ウィリアムスさんより

プレバイオティクスとは、消化できない炭水化物のことで、腸内の善玉細菌の成長や活動を増やす「肥料」として働きます。例えば、オリゴ糖類や植物繊維などです。

この働きは転じて、炎症や免疫機能、メタボリック症候群に好影響を与え、ミネラル吸収を増やし、旅行者の下痢を減らし、腸の健康を改善することが見込めます。

運動誘発性のアレルギー性喘息に苦しむ運動選手の腸内細菌を標的とした研究で私は初めてプレバイオティクスに出会いました。先行研究によると、喘息患者は腸内細菌環境が変化していることが示されており、マウスにプレバイオティクスを餌としてあたえると、このアレルギー性喘息の改善が見られました。

それを出発点として、私たちはあらたな研究をおこないました。運動誘発性の喘息を持つ成人にプレバイオティクスを3週間の間摂取してもらったのです。その結果40%に症状の軽減が見られることが示されました。実験の参加者には、湿疹やアレルギー症状の改善もみられました。

わたしはプレバイオティックスの粉末を毎朝のコーヒーに加えています。今では、夏の間の花粉症や、冬の間の風邪の引きやすさなどが抑えられていることを実感しています。

 

ω-3脂肪酸

■マンチェスターメトロポリタン大学の栄養科学の上級講師、ハレ・モラベジさんより

私がω-3脂肪酸を摂り始めたのは、2016年のNutrition Societyの冬の会議に出席してからです。ω-3脂肪酸が、脳機能を改善し、気分障害を防ぎ、アルツハイマー病を防ぐという科学的な証拠には圧倒されました。

私の食事を分析してみると、私が十分なω-3脂肪酸をとっていないのは明らかでした。健康な成人は1日最低でも250-500mgとるべきです。

ω-3は脂肪酸の一形態です。それには多くのタイプがあって、その内2つは脳の発達と心の健康にとってとても重要です。その2つとは、EPAとDHAです。

これらは主に魚に含まれています。タイプの違うω-3としてALA(αリノレン酸)があり、こちらは、くるみや麻の種を含むナッツ類や種といった植物由来の食べ物に含まれています。

講師としてスケジュールに追われているので、学期中の私の食事は、私が望むほどには多様性がなくω-3脂肪酸も多くありません。なのでサプリメントを選ぶ他ないのです。私は1,200mgのカプセルを1日1錠飲んでいます。

しかし実際の食事に勝るものはありません!

キングス・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学教授、ティム・スペクター

私もかつてはサプリメントをとっていました。しかし6年前には気が変わりました。

本を書くために調査した後、私は気付いたんです。臨床研究の内、適切に行われ、製造業者から独立した研究がはっきり示したことは、サプリメントは効果がなく、多くの症例では有害になることもあったということです。

例えば、マルチビタミンの研究では、常用している利用者がガンや心臓病が原因で死ぬ傾向が高まっていることが示されています。唯一の例外は、黄班変性症が原因で起こる失明を防ぐサプリメントです。ランダム化試験では抗酸化剤の混合剤を使った場合、軽度な効果として前向きな結果が出ています。

健康な食事から必要なものはすべて取れるのになぜサプリメントを飲むのですか?多くの場合、サプリメント中のこういった化学物質が体の中で、あるいは食べ物として、自然に働くという実験による証拠はあります。しかし、タブレットとして濃度を高めた形態で与えられた場合に、何らかの利益があるという証拠はまったくないのです。

最近の研究でも、あるサプリメントが高い濃度で与えられた場合には有害にもなりうることが示されています。その例は、カルシウムとビタミンD のそれです。

高価で効果のない合成製品をとるよりも、進化や自然が意図する通りに、すべての必要な栄養素、微生物そしてビタミンは、実際の食事から幅広く摂取するべきでしょう。

 

via: Mail Online / translated & text nazology staff

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