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鳥に「新しい歌」を教えられることが判明

2021.01.28 Thursday

2018.10.05 Friday

Credit: Dan Mennill
Point
・カナダの小さな島のスズメに対して「新しい歌」を覚えさせることに成功
・大音量スピーカーを屋外に設置して、独特なサウンドを島のスズメに聞かせた
・6年の研究で30羽のスズメが 「新曲」を覚えていることが分かった

人間の赤ちゃんが親から言葉を学ぶように、ひな鳥は親の歌声を聴いて歌い方を学習します。これに目をつけた研究者らが、初めて野生のスズメのひな鳥に「新しい歌」を教えることに成功。そしてその歌は、次の世代にも受け継がれるとのことです。

Wild Birds Learn Songs from Experimental Vocal Tutors

https://doi.org/10.1016/j.cub.2018.08.011

従来の「鳥の鳴き声の学習」に関する研究は、実験室の中で行われてきました。しかし、今回の研究では、その対象を絞ることで「野鳥」に関する実験に成功したのです。

対象となったのは、カナダの「ケント島」における Savannah Sparrows と呼ばれるスズメ。Savannah Sparrows は大人になると繁殖のために島に帰ってくることが知られており、これによって本当に特定の固体が子供の頃に覚えた「歌」を覚えているのかどうかがわかります。

歌を覚えさせるために用いたのは、太陽光を動力源とし、防水で、さらに音をコントロールできる大音量スピーカーです。このスピーカーで、独特な「アコースティック・サウンド」を小鳥たちに教えます。その「教育期間」は数ヶ月間にも及びました。

2013-2018年の「6年間」にわたって行われたこの研究。そのうち「30羽」の鳥が、スピーカーで流した「歌」を歌っていたことが分かりました。その響きは、島の研究において過去30年間聴くことのなかったものであったとのことです。また、研究ではスズメが優先的に新しい歌を覚える季節が「夏」であることも分かりました。夏にひな鳥が孵化して、また次の繁殖シーズンが始まるからであると考えられます。

今まで聴いたこともなかった「新曲」を覚えたスズメたちは、その曲を次世代にもつないでいくのでしょうか。研究者たちは数年後にこの島に戻り、かつての「新曲」がどのような運命をたどったのかを確認する予定です。

「人間が鳥になったら遅刻しなくなるの?」→先生「遅刻する」その理由がスゴイ 「夏休み子ども科学電話相談」

via: sciencedaily / translated & text by なかしー

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