「生きる意味」を見出して幸せを感じられるかは遺伝子が関わっている?

life 2018/10/07
Photo credit: homethods on VisualHunt / CC BY
Point
・幸福には「快楽による幸福」と、「生きる意味を見出す幸福」の2種類があることが知られている
・各幸福度とゲノム上のバリエーションの間の関連を統計的に調べることで、「生きる意味」で2つ「快楽」で6つの幸福遺伝子を特定
・「生きる意味」遺伝子は、大脳前頭前野や小脳半球で多く発現していることがわかった

幸福の種類には、「快楽による幸福」と「生きる意味を見出したことによる幸福」の2種類あることが知られています。

研究者たちは、これらの幸福に関わる遺伝子の多様性をゲノムワイド関連解析によって調べ、それぞれに関わっている遺伝子上の多様性を発見しました。研究は220,000人を対象にアムステルダム自由大学の研究者によって行われました。研究結果は、“Science Reports”で発表されています。

A genetic perspective on the relationship between eudaimonic –and hedonic well-being
https://www.nature.com/articles/s41598-018-32638-1

研究では、被験者からDNAサンプルを提供してもらい、幸福度に関するアンケートに答えてもらっています。「自分の人生をどの程度意味のあるものだと感じていますか」という質問を「生きる意味」の指標に、「全体としてどれだけ幸福ですか」という質問を「快楽」による幸福の指標に使いました。DNAサンプルは、ゲノム全体に存在する「遺伝子多型」を包括的に調べるために使われました。遺伝子多型は、遺伝子配列の中で個人間での違いが生まれる場所です。幸福度の指標として現れる「表現型」と、「多型」の関連を統計的に調べることで、複数遺伝子が関わることで現れる「表現型」に関与する遺伝子の多型を特定したのです。

その結果わかったのは、「生きる意味による幸福」に関わっている遺伝子座は2つあり、「快楽による幸福」と関わっている遺伝子座が6つあったということです。さらに、「生きる意味による幸福」と「快楽による幸福」の間に高い遺伝的な相関性があることも発見しています。研究に携わったメイケ・バーテルス教授はこう述べています。「私達が生きている社会では、皆が繁栄や高い地位、意味のある人生を送ることを期待しています。もし、人による違いの原因に関する良い理解を得ていれば、その情報を利用することで幸福でない人や、人生の意味で悩み苦しんでいる人を助けることが出来ます。私たちはまた、快楽による幸福に重要な環境因子が、人生の意味には関係しないことや、その反対のパターンが有ることを発見しています」

今回発見された遺伝子のうち、生きる意味に関わっていたものは、大脳皮質や、小脳、大脳前頭前野で多く発現しており、人生の意味を感じるのに関わっている小脳半球でも同様に多く見られました。一方の快楽による幸福に関わる遺伝子で顕著な発現が見られる部位はありませんでしたが、脳での発現はその中では多い方でした。

私たちが「生きている意味を探す」ことで幸せを感じるのか、それとも「快楽」によって幸せを感じるかには、遺伝的なバックグラウンドがあったことが示されました。生まれつき幸せを感じやすい人と感じにくい人がいるというのは不公平に思えますが、環境要因を整えることで幸せになる道は誰にでも開かれているのです。

 

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via: Medical press/ translated & text by SENPAI

 

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